障害福祉サービス事業所への「虐待防止委員会」設置について、わかりやすく解説します。
法務


この記事の目次

令和3年度の報酬改定において「障害者の虐待防止の更なる推進」が示される

障害福祉サービス等報酬改定は、通常3年に1度あります。直近では、令和3年度に改訂されました。

この中で、「障害者虐待の更なる推進」に関し、努力義務だった「従業への研修」と「虐待防止等のための責任者の設置」、「虐待防止委員会の設置」が、すべてのサービスにおいて令和4年度に義務化されることが明示されました。具体的には以下の内容です。

1.従業者への研修の実施
2.虐待防止のための対策を検討する委員会として「虐待防止委員会」を設置するとともに、委員会での検討結果を従業者に周知徹底する
3.虐待の防止等のための責任者の設置


この中から、「虐待防止委員会」について解説します。

虐待防止委員会の役割・設置について

虐待防止委員会には、「虐待の未然防止や虐待事案発生時の検証や再発防止対策の検討等」が求められます。
具体的には、以下の内容です。

1.虐待防止のための計画づくり(虐待防止の研修、労働環境・条件を確認・改善するための実施計画づくり、指針の作成)
2.虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)
3.虐待発生後の検証と再発防止策の検討(虐待やその疑いが生じた場合、事案検証の上、再発防止策を検討、実行)


虐待防止委員会は、定期的に開催することとされていますので、事実上、年1回以上の開催が必要です。また、虐待防止委員会での検討結果は、従業者へ周知しなければなりません。 身体拘束の適正化についての取り組みも義務化されたのですが、別に委員会を設置せず、虐待防止委員会で取り組むことも認められていますので、虐待防止委員会の役割の中に含めて、併せて対応すると良いでしょう。

虐待委員会設置に関しては、小規模な事業所にも過重な負担とならないように配慮されています。具体的には、「事業所単位ではなく、法人単位での設置も可能」「管理者や虐待防止責任者が参画していれば最低人数は問わない」というものです。

行政への届出が必要

虐待防止委員会の設置については、「運営規程」や「重要事項説明書」へ記載します。運営規程の変更により、指定権者への変更届の提出が必要になります。虐待防止委員会を法人設置などで設置規程を別途定めた場合には、変更届に添付するのが望ましいと思います。

まとめ

虐待防止委員会は、令和4年度から設置が義務づけられました。虐待の防止、早期発見、虐待を受けた障害者に対する保護や自立の支援、養護者に対する支援等を行うという「虐待防止法」の掲げる障害者の権利擁護を推進するためにも、未設置の場合にはできるだけ早期の対応が必要です。

また、介護保険の事業所への虐待防止委員会の設置は現在努力義務ですが、次回の報酬改定(令和6年度)において義務化される見込みですので、あらかじめ設置の検討をされることをお勧めします。

※参考:
厚生労働省資料「障害者虐待の防止について」

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