取締役会は開催すべき?開催する意義から開催までの流れを紹介します。
法務

この記事の目次

第1.取締役会を開催する意義

会社法では、取締役会に代表取締役を監視監督する役割を求めています。
具体的には、会社にとって重要な事項については、取締役会の承認決議を経ることが必要となります。必要な承認決議を欠いて行われた取引は、のちに無効と判断されることもあります。
取締役会の承認決議が必要とされる理由には、各取締役との討議を経ることにより、異なる視点から課題を認識することが可能となり、会社にとって有効かつ適切な判断となることが期待されていることにあります。

そのため、取締役会は、形式的に承認決議を行う場でなく、各取締役がこれまでの知見を活用し、討論討議の場になることが理想的な取締役会と考えられています。

第2.運営について

1.開催の流れ

取締役会は、①招集権者が、②招集通知を出し、③定足数を上回る取締役が出席した場において、④多数決による決議を行います。そして、⑤議事録を作成し保管します。



①招集権者
・原則として各取締役が、招集通知を出すことができます。
・定款または取締役会において、特定の取締役を招集権者として定めた場合には、その取締役が招集します。
・招集権者が定められている場合でも、招集権者以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができ、請求があった日から5日以内に、請求日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集通知が発せられない場合には、請求を行った取締役は、自ら取締役会を招集することができます。
・なお、監査役や株主も一定の場合には取締役会の招集を請求したり直接招集したりすることができます。

②招集通知
・招集通知は、メール、電話でも可能です。法律上は、取締役会の開催日時だけ伝われば足りますが、実質的な討議を行うために議題と関連資料を添付することが多いです。

③定足数
・取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合には、その割合以上)が出席した場合に有効となります。

④決議
・出席した取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合には、その割合以上)をもって行います。取締役会における議決権は1人について1個です。
・取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができません。(例:会社と利益相反する取締役、解任される取締役)

⑤議事録の作成保管
ⅰ議事録記載事項
・取締役会の開催日・開催日時・開催場所当該場所に存在しない取締役等が取締役会に出席をした場合はその方法(テレビ会議システム、Web会議システム等)・全取締役および全監査役の人数と当日出席した取締役および監査役の氏名、議長の氏名、上程された議題と審議内容および決議の結果等
・会社法上では、議事録には、議事の経過の要領およびその結果を記載すれば良いとされているので、各出席者の発言を一言一句記載する必要はありません。

ⅱ議事録への押印
・作成された取締役会議事録に、出席した取締役および監査役の署名または記名押印をもらう。電子署名による方法も可能です。
・取締役会を開催したのにもかかわらず、正当な理由がないのに、議事録を作成していない、虚偽の記載・記録をした、作成しても備置していない場合等は、取締役等は100万円以下の過料に処せられます。

2.取締役の責任

・取締役会の決議に参加した取締役で、取締役会議事録に異議をとどめない者は、その議事録の決議に賛成したものと推定されます。賛成した取締役は、当該取締役会で決議された取引によって会社に損害が発生した場合には、過失(任務懈怠)があったことが推定され賠償責任が認められやすくなります。(立証責任の軽減)


3.決議事項

取締役会で決議すべき事項は多岐にわたりますが、通常は、以下のような事項が定期的な議題とされます。

・前月決算の承認
・月次予算の修正・承認
・紛争対応報告
・業務規程の改正・承認
・コンプライアンス違反事例の報告
・その他経営に重要な影響を与える事項


第3.おわりに

今回は、取締役会の運営について紹介しました。
取締役会の決議を必要とすることで、経営判断が遅くなることは否定できません。しかし、各取締役による多角的な視点から判断の合理性・妥当性を吟味することができ、多くのケースにおいて、デメリットを上回るメリットを期待することができます。
開催していない企業では、今後開催することをご検討ください。

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