司法書士を登録した頃、もしくはそれ以前からよく聞かれることがあります。
「司法書士って何する人?聞いたことあるけどよくわからない」というものです。
また、行政書士と混同されている方は本当にたくさんいらっしゃいます。
今回は、司法書士が行っているメイン業務をご紹介したいと思います。
この記事の目次
不動産登記業務
いわゆる「名義変更」と世間でいわれるものです。名義変更と説明した方がお客様にわかりやすいので、この言葉を使うこともありますが、司法書士的には非常に違和感のある言葉です。また、抵当権などをつける(いわゆる担保に入れる)登記の申請の代理をすることもよくある業務です。
不動産登記もみなさんが思っていらっしゃるよりものすごい種類のものがありますが、通常イレギュラーなものが然程多くないことから定型的業務と思われがちです。
なお、令和6年4月1日から相続登記の義務化が始まりますが、この相続登記も不動産登記のうちの1つとなります。
商業(法人)登記業務
会社に関する登記です。役員の方の任期が満了したので、退任の登記をする。いわゆる増資をするのでその登記をして欲しい。合併を検討しているのだが…と様々なものがあります。こちらにつきましては、①の不動産登記に比べ、定型的な業務が少ない印象が私にはあります。
今後、事業承継を含めたM&A案件が増えていくと聞いています(寧ろ増えている状況です)。その際、登記が必要となる場合も多いため、司法書士を取り込む必要性は高いと思います。なお、株式の譲渡のみによる事業承継や事業譲渡につきましては、商業(法人)登記は必要ありません(不動産登記は必要となる場合はあります)。
裁判業務
普通は司法書士といえば登記を思い出し、裁判業務は弁護士を思い出します。それはそれで正しい認識とは思います。
私のように裁判業務を主たる業務の1つにしている司法書士は稀だからです。
なお、あまり知られていませんが、簡易裁判所管轄(140万円以下)の民事事件につきましては、法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)も示談交渉をし、法廷に立つことが出来ます(控訴審などで地方裁判所以上に移った場合は取り扱えません)。
裁判業務といっても相手がいて争う一般的な裁判だけではなく、裁判所への様々な申立書類の作成も行っています。
成年後見業務
判断能力の減退した方の保護者に就任するイメージの業務です。定型的でないものが多数あり(社会保険関係から何でもやらなければならないイメージの業務です)本紙面で説明するにはあまりに膨大となるため上記のイメージに留めておきます。
保護を受ける方(被後見人等)の権利を護る非常に重要なお仕事です。
その他
その他、不在者の財産管理人(行方不明者の財産を管理する者)等に就任するなどの財産管理業務や信託に関する業務など様々な業務を行っています。最後に
司法書士のみならず、士業というものは、どの業務をどの士業に依頼すればいいのか複雑過ぎてわかりにくい側面があります。まずは、お近くの士業の方のどなたにでも相談をすると適切な依頼先を紹介してくださると思います。
また、1つの案件が1つの職種だけで終わらせることができない複雑な案件も多数あります。
やはり、そのような場合も懇意にされている士業の方に聞いてみるのがよいかと思います。 本記事が依頼先を選定する際の一助になれば幸いです。
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