この記事の目次
はじめに
「自社でできる債権回収」で少し紹介しましたが、現行の民事執行法では、相手方の財産を調査する制度が以前に比べ強化されています。今回はこちらの制度について、概要にはなりますが、ご紹介をしたいと思います。
なお、記事を分かりやすくするために完全に正確な言い回し等はしていない箇所がありますことをご了承ください(表現の「ズレ」は制度の概要を理解するのには差し障りのない程度のものに留めています。)。
また、本記事はあくまで一般的な制度紹介になりますことをご了承ください。
第三者からの情報取得手続
今回お話しようとするものは、「第三者からの情報取得手続(以下、「本手続」といいます。)」と呼ばれるものです。本手続は、判決等をとった後で、相手方の財産(具体的には、不動産、給与債権、預貯金債権及び振替社債等)について、その所在地や金額等を調べることができるというものです。
制度の概要
この制度は、判決等に基づき差押えをしたいが相手方の判明している財産では差押えが功を奏さないことを裁判所に証明(正確には「疎明」と言います)し、金融機関などに相手方がどこの支店にいくらの預貯金を持っているかといった情報等の差押え対象財産の情報を出してもらう命令を裁判所に発してもらうというものです。なお、本手続を利用し財産情報を取得した時点から1ヶ月程度経過時点で、相手方に財産情報が開示された旨の通知が行きます。つまり、本手続を利用し1ヶ月程度経過すると相手方は自分の財産情報を知られたことに気づくこととなります。
最後に
今回は制度の存在の説明や概略の説明に留めています。本制度があることを頭の片隅に置いておいていただけるだけでも、債権回収をする際には有用なのではないでしょうか。
なお、前述のとおり、本手続をどのような手順やタイミング等で利用するかなど判断が難しい局面もありますので、少なくとも初めは専門家の助言のもと利用することをお勧めいたします。
この記事が「勉強になった!」と思ったらクリックをお願いします