弁護士が教える ! 管理監督者に支払うことになる残業代のリスク
法務


この記事の目次

残業代を支払わなくていい従業員がいる ! ?


従業員から残業代を請求された際の問題について連載させていただいておりますが、第3弾は、従業員であっても残業代を支払わなくてもよい役職の従業員がいる ! というお話です。

一般に、従業員が1日8時間あるいは、週に40時間を超えて労働を行った場合、残業代を支払わなければいけません。

しかし、従業員であっても、このような時間外労働の規制に服さず、時間外労働を行っても残業代を支払わなくてもよいケースもあります。


労働基準法41条に該当する従業員には残業代の支払いは不要 !


残業代を支払わなくてよい従業員として特に有名なものが労働基準法41条2号に挙げられている「監督若しくは管理の地位にある者」、いわゆる管理監督者という地位の人です。

たとえば、代表者ではない役員ですね。
こういった立場においた従業員には残業代は支払わなくてよいのです(ただし、深夜手当は支給しなければいけません。)。


管理監督者のハードルは高い


じゃあ、課長などの管理職の人間はみな管理監督者として、残業代を支払わなくてよいのか、というと、裁判所はそのような考え方はとっておりませんので注意が必要です。

管理監督者にあたるかどうかを判断するには、

・職務の内容,権限及び責任の程度
・実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無(出退勤の自由の程度)
・待遇の内容・程度(賃金等の待遇面で優遇されているか)

の3つの要素を見て判断されるのですが、裁判所はこの判断にあたっては、かなり企業側に厳しい判断をするケースが多いのが現実です。

参考となる裁判例としては、

東京地判平成20年1月28日 日本マクドナルド事件
東京地判平成21年2月9日 プレゼンス事件
鹿児島地判平成22年2月16日 康正産業事件
大分地判平成29年3月30日

といったものがあります。

いずれも飲食店に関する裁判例ですが、管理監督者性は否定されています。


まとめ


就業実態を深く考慮せずに、管理監督者とみなして高い給与を支給していると、その従業員から残業代を請求され、裁判で管理監督者ではないと判断されてしまうと、数百万円あるいは1000万円前後の残業代を、一度に支払わなければならなくなるリスクもあります。

裁判所は、特に飲食店においては、管理職の立場と現場の仕事を兼務しているケースでは、「管理監督者には該当しない」と判断するケースが多いので、弁護士の目を通して給与体制を見直すことをお勧めします !

参照 : SHARES 弁護士 寺口 飛鳥のページ

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