業務提携契約4つの注意点 ! 業務提携契約と事業発展の深い関係
法務


この記事の目次

業務提携契約とは


業務提携契約とは、事業を発展させ、拡大していくために企業と企業の間で協力関係を約するための契約です。

自社の弱いところ(ウィークポイント)を他社の強いところ(ストロングポイント)で補てんし、事業の発展を図ります。


事業の発展と業務提携契約とは


たとえば、ある分野の製品開発を得意とするA社が、営業分野が弱く、なかなか製品の流通が起こせずにいたとします。

そんなとき、営業に関してスペシャリストであるB社と業務提携契約を締結し、自社で不得意な流通を手伝ってもらうことで、製品の流通の拡大を図り事業を発展させます。 他方で、営業に関してスペシャリストであるB社は、製品を開発するという不得意な分野では、A社に手伝ってもらうことで、利益拡大を図ることができます。

業務のすべてを必ずしも自社で行う必要はありませんし、効率的であるとはいえません。 こういったときの、他社の力を借りるための契約が業務提携契約といえます。


業務提携契約の注意点


ここでは業務提携契約の4つの注意点について確認していきましょう。


詳細は以下です。

注意点1 (ノウハウなどの)秘密情報について


企業と企業が協力し合いながら事業をすすめていきますので、自社の情報(秘密情報、ノウハウ、個人情報など)を相手方に知られることになります。 このとき、お互いの保有する情報を公開するにあたって、「この情報は、この契約の目的以外に使用しないでくださいね」とお互いに約束し合わなければ安心して事業をおこなうことができません。

その場合、どこからどこまでが秘密とされるべき情報であり、ここからここまでは除外する。。。など、しっかりした取り決めが必要になります。 この業務提携契約で知り得た情報を相手方が勝手に使ったり、自社で開発したかのように発信されたり、他の事業に使われたりしては、多大な損害を被ってしまいます。



注意点2 知的財産について


協力して作り上げた新しい製品やサービス、事業に関連して発生する権利(知的財産権など)が、どちらに帰属するのか(どちらのものになるのか)についても明確に取り決めておかなければいけません。

自社のものになると思っていたのに、出来上がったら、「これは当社も費用と労力を費やしているのだから、当社のものでもあるはず」などと主張されては、その後の事業活動の足かせとなってしまいます。

このような後々のトラブルを防止するために、業務提携契約では、将来発生する知的財産の帰属についても、その範囲を明確にして、お互いに納得のいく契約内容にしなければいけません。



注意点3 利益の分配割合と費用の負担割合


企業間のトラブルで多いのが、お金についてのトラブルです。 事業活動をすすめるには、費用がかかりますね。

この費用は、当社が負担するので、この費用は御社が負担してくださいね。とする、負担の範囲と割合を明確にしておかなければいけません。

また、この事業で出た利益をどのように分配するのか、その分配割合は妥当か ? などについても、しっかりと話し合い、後々トラブルにならないよう気をつけなければいけません。



注意点4 それぞれの業務(義務)の範囲


協力し合い一つの事業を成功に導くために、どこからどこまでが自社の業務であり、履行すべき義務なのか、他方の範囲はどこからどこまでか ? を明確にしなければいけません。
「当初の話では、ここは御社がやるって言っていましたよね ? 」などと言ったり言われたりするようでは、何のための業務提携契約なのかわかりません。

費用の負担だけでなく、その他にもやらなければならない義務をどちらが負うのか、業務提携契約には必ず、「誰が見てもはっきり分かるように」盛り込んでおく必要があります。



まとめ


業務提携のあり方は、それぞれの企業によっても、事業の内容によっても異なります。

インターネットで見つけたそれっぽい雛形を使って業務提携契約書を作成するのは、あまりにも危険なことであり、その適当な契約書が原因でトラブルになってしまっては、契約書の意味がありません。業務提携契約書の作成は専門家に相談することをおすすめいたします。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 行政書士 宮原健一朗のページ

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