令和4年度第2次補正予算 事業再構築補助金の変更点(2023年4月以降適用予定)
経営


"現在実施されております事業再構築補助金の第9回公募ではなく来年度(2023年4月以降適用予定)のお話になります。令和4年度第2次補正予算での事業再構築補助金の事業目的では、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、「物価高騰等」の影響への支援、「感染症等の危機に強い事業への大胆な事業再構築の取り組み支援」、「中小企業等の付加価値額向上や賃上げ」等の文言が記載されました。
これにともない、いままでとは申請類型・申請要件等も変更されています。そのため、現在行われております第9回公募とは違う形での実施となることが予想されます。

この記事の目次

変更点(予定)

・「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」を再編し、事業再生に取り組む事業者や物価高騰等により業況が厳しい事業者等を支援する「物価高騰対策・回復再生応援枠」を新規で創設
・いままでの「通常枠」を再編し、売上高減少要件が撤廃されます。この部分は他の経済産業省からの案内を出ておりますので、ほぼ確定情報だと思われます。この売上高減少要件が原因で申請が出来ていない事業者様は来年度実施分でのご申請を是非お考えください。市場規模が拡大する業種・業態への転換を支援する「成長枠」を創設
・「グリーン成長枠」に、要件を緩やかにした「エントリー」類型を創設
・市場規模が縮小する業種・業態からの転換を支援する「産業構造転換枠」を創設
・製造拠点の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化・地域産業の活性化に貢献する「サプライチェーン強靱化枠」を創設

の予定となっております。

申請類型(予定)

物価高騰対策・回復再生応援枠

(業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者向け)
補助上限額 1,000万円、1,500万円、2,000万円、3,000万円
補助率中小2/3 中堅1/2

成長枠

(成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者向け)
補助上限額 2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円
補助率 中小1/2 中堅1/3
現段階で以下の特別な要件が予定されております。
「市場規模10%以上拡大する業種・業態」が申請可能となっており、公募開始時に事業再構築補助金事務局のサイトで詳細が公表される予定です。また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となる場合があるとのことです。

また、特別な点として、大胆な賃上げに取組む事業者は、さらなる支援措置(補助率・補助上限の引き上げ)がある予定です。

グリーン成長枠

(研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者向け)
補助上限額 中小:4,000万円、6,000万円、8,000万円
補助率 中小1/2 中堅1/3
特別な点として、大胆な賃上げに取組む事業者は、さらなる支援措置(補助率・補助上限の引き上げ)がある予定です。

産業構造転換枠

(国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者向け)
補助上限額 2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円(廃業を伴う場合2,000万円上乗せ)
補助率 中小2/3 中堅1/2
「市場規模10%以上減少する業種・業態」が申請可能となっており、公募開始時に事業再構築補助金事務局のサイトで詳細が公表される予定です。また、コロナ後~今後の10年間で市場規模が10%以上縮小することについて、応募時に客観的な統計等で示していただき、事務局の審査で認められた場合にも対象となる予定です。

サプライチェーン強靱化枠

(海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者向け)
補助上限額 最大5億円
補助率 中小1/2、中堅1/3

最低賃金枠

(最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者向け)補助上限額 500万円、1,000万円、1,500万円
補助率 中小3/4、中堅2/3

まとめ

これらの情報から、現段階では「物価高騰対策・回復再生応援枠」、「最低賃金枠」が申請しやすいものということが予想されます。理由は「成長枠」、「産業構造転換枠」は詳細が発表されるまで対象の業種がどうかわからないというリスクがあります。仮に10%の要件を達成するために別の証明を行う場合でも、通常の申請に比べてさらに証明をしなければならないリスクが存在します。新制度にならないとわからない部分ではありますが、申請の難易度が高くなることは間違いがありません。

「グリーン成長枠」、「サプライチェーン強靱化枠」に関しては、中小企業に限って言えば補助率が2分の1となっているため、事業規模の大きい事業者様はメリットがあると思いますが、事業規模の小さい事業者様にとっては、あまり恩恵を感じられないかと思います。もちろん各事業者様の状況により有利・不利は異なりますので、そのあたりは是非ご相談頂ければと思います。

こちらの変更が予定されておりますので、申請をお考えの事業様は上記変更点をご留意されて、現在行われております第9回(2023年3月24日締切)でのご申請と比較検討されてもよろしいかと思います。

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