今秋改定の最低賃金に続報 ! 「平成29年度地域別最低賃金時間額答申状況」が公表されました
労務


この記事の目次

地域別最低賃金の引き上げ額は、昨年度と並び「過去最大」


このたび、すべての都道府県における最低賃金の改定額が答申され、その内容が公表されました。

今秋改定の最低賃金額の目安については、すでに2017年8月2日付『速報 ! 平成29年10月改定の最低賃金額目安』にて解説した通りですが、今号ではその続報として、全都道府県における最低賃金改定額の答申状況をご紹介することにしましょう。

気になる最低賃金の改定額は下記よりご確認いただけます。
参照 : 厚生労働省「平成29年度地域別最低賃金時間額答申状況」

平成29年度改定の最低賃金については、
● 改定額の全国加重平均額は848円
● 全国加重平均額25円の引上げは、昨年度と並び過去最大

とのこと。最低賃金1,000円超時代の到来は目前、と言えそうです。


そもそも「最低賃金」とは


「うちは見習い(パート、アルバイト)ばかりだから、最低賃金なんて関係ない」時折そんな風におっしゃる事業主様をお見かけしますが、こうした認識は直ちに修正されるべきです。

そもそも「地域別最低賃金」とは、“使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額”を指します。これは正社員のみならず、パートやアルバイト等、すべての労働者に適用されなければなりません。「高校生のアルバイトだから」「まだ一人前に仕事ができないから」等の理由でこれを下回る賃金を設定することは違法ですので、くれぐれもご注意ください。

ただし、ひと口に「最低賃金」といっても、地域別に定められたものの他、産業や職業別に定められた「特定(産業別)最低賃金」なるものも存在します。
こちらについては、18歳未満又は65歳以上の労働者、雇入れ後一定期間未満の技能習得中の労働者、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する労働者には適用されないことがあります。

「特定(産業別)最低賃金」については、SHARES LABにて社労士の村田先生が解説されていますので、ご一読ください。
参照 : SHARES LAB「平成29年最低賃金額改定の目安発表 ! 2種類の最低賃金要点まとめ」

また、下記より「特定(産業別)最低賃金」の一覧をご確認いただけます。
参照 : 厚生労働省「必ずチェック 最低賃金 使用者も、労働者も。」‐「特定(産業別)最低賃金全国一覧」


御社は大丈夫 ? 最低賃金チェックを行いましょう


今回の地域別最低賃金の引き上げを受け、今後、労働者に支給する給与額の見直しを行う必要性が出てくる会社もあるかと思います。

この場合、賃金が時給で支給されているならば最低賃金額との単純比較で事足りますが、一方で、月給制や日給制等が採用されているケースでは、最低賃金を上回っているかどうかの判断が難しいこともあるでしょう。

最低賃金チェックに活用したいのが、下記のツールです。難解な賃金額設定を比較的スムーズに行うことができるようになります。




まとめ


このたび答申された地域別最低賃金の改定額は、今後、都道府県労働局における手続き、労働局長による正式決定を経て、9月30日から10月中旬までに順次発効されることになります。

最低賃金を基準に労働者の給与を定めている会社においては、「知らぬ間に最低賃金を下回っていた ! 」という事態にならないよう、今のうちに賃金の見直しを行っておきましょう。

賃金制度の設計、見直しは、お気軽に社会保険労務士にご相談ください !
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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