育児休業の新常識 ! パパママ育休プラス制度とは
労務


この記事の目次

育児休業の取得状況について


今年(平成29年)5月30日の日本経済新聞に次のような記事が掲載されました。

男性の育休取得率3.16% 16年度、過去最高(日本経済新聞より抜粋)
厚生労働省は30日、2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%だったと発表した。前年度より0.51ポイント増加し、比較可能な1996年度の調査以来過去最高だった。女性の育休所得率は81.8%で、前年度より0.3ポイント増加した。
厚生労働省は2020年度までに男性の育休取得率を13%にする目標をもつが、達成は見通せない。今後、外部有識者会議で男性の育休取得率を上げる施策を検討する。

この記事をご覧になって、
「男性の育児休業取得率」という言葉はあまり聞きなれないし、周りで育児休業を取得する・しようとする男性なんて聞いたことがない。そもそも、育児休業は、女性を対象としたものではないの ? と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。
育児休業は法律上、女性に限らず男性でも取得する権利があります。


育児休業給付金の受給


また、条件を満たせば、この休業期間に対して、育児休業給付金を当然に受給できるのです。

ここでは、父親・母親共に育児休業給付金の支給を受けながら、育児休業できる、パパママ育休プラス制度について説明します。


男性の育児休業について


まず、いわゆる正社員の育児休業を取得する要件は次の通りです。

原則として、1歳に満たない子を養育する労働者が育児休業の対象となり、この制度を利用する上で、男女による違いはありません。 また、正社員でない、期間の定めのある労働者の場合でも、条件を満たせば男女差なく育児休業の対象者となります。

確かに、過去の改定前の育児休業は配偶者が専業主婦・専業主夫であったり、父母どちらか一方が育児休業を取得する際には、事業主は申し出を断ることができるものでした。

このような過去の要件に加え、男性は外で働き、女性は家庭を守るといった日本の従来の慣習もあり、男性の育児休業はなかなか浸透していないのが実態です。しかし、現在は仮に母親が専業主婦であっても、父親は育児休業を取得することが可能となっています。
ただし、今ご紹介している「育児休業」は、「休業」する制度のことで、この期間に対して会社は給与を支払う義務はありませんし、育児休業給付金の受給要件に該当するかとは違います。あくまで「休業」をすることができるということです。

それに対して育児休業給付金は、被保険者が1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に、休業を開始する前の2年間に賃金の計算の基礎となる日数が11日以上ある歴月が12ヶ月以上あれば、受給申請が可能になります。(ただし、その期間内に基本手当や高年齢求職者給付金等の決定を受けている場合はその後の期間が必要な対象期間となります。)

さらに、2つの要件があります。
1つ目は育児休業期間の各月について、休業を始める前の1カ月当たりの賃金の8割以上が支給されていないこと。
2つ目が休業期間中に就業している日数が支給単位期間ごとに10日以下であること。さらに、10日を超える場合は就業時間が80時間以下で、休業日が1日以上あること。以上の要件を満たす必要があります。


パパママ育休プラス制度とはどのようなものか


女性の社会進出に伴い、男性の育児参加への促進が子育てを進める上で重要視されています。

そのため、パパママ育休プラスを利用する場合、より柔軟に育児休業を取得できるように制度が作られています。 パパママ育休プラス制度を利用するために必要な具体的な要件は次の通りです。


パパママ育休プラスの要件


両親がともに育児休業をとる場合、以下の要件を満たせば、育児休業の対象となる子の年齢が1歳2ヶ月にまでの期間に延長されます。

1.配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
2.本人の育児休業開始予定日が子の1歳の誕生日以前であること
3.本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

通常の育児休業と育児休業給付金とでは、原則1年間の休業期間の間に1年間の育児休業給付金の受給期間がある状態のものでした。

これに対してパパママ育休プラスでは、休業可能な期間を最大1年2ヶ月まで伸ばし、その間の1年間について育児休業給付金を受給できるようにする、というものです。
(ただし、父母それぞれが取得できる期間の上限は、父親は1年間、母親は出産日・産後休業期間を含む1年間となります。) つまり、パパママ育休プラス制度とは、育児休業を取得する期間を2カ月間広げることで柔軟な育児休業を設計出来るようにした制度です。

もちろん、育児休業自体が男女差なく取得できるように、パパママ育休プラス制度も男女差なく取得できる制度である点も見落としがちですが重要なポイントです。

さらに柔軟性を持たせるために休業期間を取得できるよう、男性の育児休業について、次のような制度もあります。

パパ休暇
通常育児休業の取得は原則1回までですが、子の出生後父親が8週間以内に育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても、再度の育児休業が取得できる制度です。
(私見ですが、母親の産後のフォローと生まれたばかりの子のお世話をすることが推奨されている、望まれているということではないでしょうか。)

要件
・ 子の出生後8週間以内に育児休業を取得していること。
・ 子の出生後8週間以内に育児休業を終了していること。



パパママ育休プラス制度を利用している場合の育児休業の延長


1歳2カ月までの育児休業を、1歳を超えて取得している場合はその終了予定日において父母いずれかが育児休業中かつ下記の状況にある場合は1歳6カ月に達する日までの取得が可能になります。

・ 保育園等の利用を希望しているが、入所できない場合
・ 状態として子の養育をおこなっている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であった者が死亡、負傷、疾病等により子を養育することが困難となった場合



パパママ育休プラス制度の活用例


柔軟な育児休業の取得ということで説明していますので、ここで具体的な例を挙げてみたいと思います。 休業自体の組み合わせのほか、育児休業給付金の給付率に着目した取得の仕方もあります。

参照 : 両親で育児休暇を取得しよう !

このように、育児休業、育児休業給付金の利用の仕方を通り一辺倒ではなく、より各家庭の実態に沿ったものとすることを目指した制度なのです。


まとめ


本記事序盤の日本経済新聞の記事にもあるように、まだ認知度の低い制度ということもあります。

そのため、正しく安心して制度を利用し休業を取れるよう、ご不明な点がございましたら、専門の社会保険労務士にご相談することをおすすめいたします。

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参照 : SHARES HP

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