中小企業の働き方改革事例を考える、『中小企業・小規模事業者のための人手不足対応事例100事例』
労務



働き方改革の具体的事例については、先日アップした記事にて経団連がまとめた事例集をご紹介しました。
ただし、こちらで紹介されているのは一般的に「大企業」といわれる企業の事例が中心であり、中小企業が参考にするには難しい例が目立ちました。

参照 : SHARES LAB『他社はどうしてる ? 「働き方改革事例集」に学ぶ具体的取り組み』

このたび、中小企業庁より、人手不足が特に深刻化する中小企業・小規模事業所向けの対応事例集が公開されましたので、ご紹介することにしましょう。


この記事の目次

中小企業・小規模事業者の人手不足対応100事例を大公開


働き方改革を実現するにあたり、中小企業においては「具体的に何をすれば良いのか」と頭を悩ませる事業主様も多いものです。さっそく下記より、人手不足対応の好事例を確認しましょう。

参照 : 中小企業庁「中小企業・小規模事業者のための人手不足対応事例100事例」

公開事例数は100と、内容はかなり充実しています。
また、企業規模、業種、地域等から事例の検索ができるようになっているので、知りたい内容を絞り込むことが可能です。
「取り組み前の状況」「取り組み後の変化」「取り組みポイント」が分かりやすくまとめられており、閲覧することで何かしらのヒントを得ることができるのではないでしょうか。


中小企業・小規模事業者の人手不足対応に不可欠な“3ステップ”とは


同サイトでは、具体的事例の他、中小企業における働き方改革を実践する上で必要な「3つのステップ」についても解説されています。
以下、好事例から読み取ることのできるポイントをサイトより抜粋します。

‘1. 経営課題や業務を見つめ直す

2. 業務に対する生産性や求人像を見つめ直す

3. 働き手の目線に立って、人材募集や職場環境を見つめ直す’


以上、中小企業庁「中小企業・小規模事業者のための人手不足対応事例100事例」より抜粋

重要なのは、「現状把握と課題の抽出」→「改善のための施策を検討」→「適切な人材募集、職場環境の整備」のステップを経ることです。
つまり、好事例集を参考に、思いつきで「ウチでもこれをしてみよう ! 」というのはあまりオススメできません。
その取り組みが本当に御社にマッチしたものであるのか、現状を良くするカギとなるのかを十分に検討する必要があります。
ここでご紹介した3ステップをより深く掘り下げて考えるために、下記の資料も併せてご確認ください。

参照 : 中小企業庁「中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン」


“人手不足”を「変革のチャンス」とする考え方


中小企業・小規模事業者にとって、今後ますます進展していくであろう人手不足は、まさに脅威であると言えます。
しかしながら、こうした厳しい状況に立ち向かうために尽力することは、会社をより良くしていく好機とも捉えることができるのではないでしょうか ?

特に小規模の中小企業においては、事業主自身、日頃はプレーヤーとなり、現場で奔走する例は珍しくありません。こうした状況の中で、落ち着いて経営について見つめ直す時間を確保することは容易ではないでしょう。

ですが、今始めなければ、事態はどんどん深刻化するばかりです。好事例集にある様に、同業他社では、すでに働き方改革が少しずつ始まっています。御社も乗り遅れるわけにはまいりません。


まとめ


政府主導による働き方改革実現会議の第一回が開催されておよそ1年、改革の方向性が少しずつ具体的になっていく中、実際に取り組みを開始する企業が増えてきています。

「これから何かやろう」とお考えの事業主様は、ぜひ「課題の抽出」から始めてみてください。
その際、経営陣の思い込みだけで進めるのではなく、現場の声にしっかり耳を傾けるのが得策。中小企業の働き方改革は、労使の協働なくして始まりません。

参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。