採用担当必見!ハローワーク求人で失敗しないための3つのポイント
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この記事の目次
前回の記事(2017年卒生 就活解禁!企業における「ハローワーク求人」活用の3大メリットを知る参照)では、ハローワーク求人における企業にとってのメリットをご紹介しました。

そのポイントをおさらいしてみると、

・求人広告を無料で出せる
・助成金申請にぐんと近づくことができる
・ターゲットを絞った求人が可能

といった3点がハローワーク求人の主なメリットでしたね。
求人申込手続き自体はそう複雑ではありませんから、「さっそく我が社でもやってみよう!」と思われた事業主様もいらっしゃるかもしれません。

一方、ハローワーク求人については「良い人材が集まらない」といった悪評もしばしば。
果たして、それは本当なのでしょうか?
ハローワーク経由で求人を成功させるため、企業側はどんな工夫が必要なのでしょうか?

本号では、≪ハローワーク求人を成功させるための3つのポイント≫をご紹介することにいたしましょう!

戦略的な求人広告が出せていますか?

そもそもなぜ、ハローワーク経由の求人がイマイチとされているのでしょうか。その背景には、「企業側の戦略不足」大いに影響しているかもしれません。


・「無料だから」ととりあえず求人を出していませんか?
求める人材が集まらないのは、求人広告自体が「とりあえず」で出したものだからかもしれません。今一度、どんな人材が必要か、求人広告を通してそれが分かるかどうか、求職者に企業の魅力が伝わるか等の観点から、募集要項を見直してみましょう。

・労働条件は適正ですか?
採用活動を通して、会社側は「人を選ぶ」と考えている一方で、求職者側は皆、職場を選んでいます。選ばれる企業になるための最低限の条件は、「適正な労働条件で雇用できること」。少なくとも、給与面で同じエリアの同業他社に見劣りしないことは大前提です。

・求職者目線でどう見えるか、考えていますか?
ハローワーク求人に限らずどんな媒体を通した求人にも言えることですが、せっかくの会社PR欄が求職者にとってまったく魅力的に映らないケースはしばしば見受けられます。
求職者が新しい職場に求めるもの、それが一体何かをご存知でしょうか?次章でも触れますが、こうした「求職者目線」をしっかり理解することが、採用の成否を握るカギとなります。

ハローワーク求人を否定する前に、まずは求人広告が魅力あるものかどうかを見直す必要があるかもしれません。求職者に注目される求人でなければ、当然のことながら、良い人材など採用できるはずもありませんね。

他社に一歩差をつける!効果的なハローワーク求人のポイント】

ところで、事業主もしくは人事担当である皆さんは、実際にハローワークで求人票を検索したことがあるでしょうか?おそらくほとんどの方が、求職者の立場でハローワークを利用したことがないと思いますが、そういった方はぜひ一度、求職者としてハローワークを利用されてみることをお勧めします。求職者目線でどんな求人に「良いな」と思えるか、ここを検証することは求人広告を出す企業側にとっては非常に有意義です。

実際にハローワークで求人検索をしてみると、どの会社も同じように見えるかもしれません。それもそのはず、ハローワーク求人では会社をアピールできる「事業内容」「会社の特長」欄がそれぞれ上限90文字と非常に限られています。それこそ求職者の心を掴むような魅力的な文言を戦略的に考えなければ、結局どの会社も“似たり寄ったり”な印象になりがちになってしまうのです。
また、最近でこそようやく画像登録ができるようになりましたが、それでも一般的な求人媒体と比較すればまだまだ「差別化」や「魅力を伝える」といった観点では弱いと言わざるを得ません。

しかしながら、マイナスの側面ばかりを見ていても何も始まりません。
どの企業も同じような印象になりがちなハローワーク求人だからこそ、実は少しの工夫で他社の一歩前に出ることも可能なんです。

重要なのは、ズバリ「事業所登録シート」と「求人申込書」。その書き方のポイントを3点、ご紹介しておきます。

・「90文字×2」で会社の魅力を最大限に伝える
すでにご紹介した通り、ハローワーク求人では会社の魅力をアピールする「事業内容」「会社の特長」欄(事業所登録シート内にあります)がそれぞれ上限90文字と、盛り込める情報がかなり限られています。
皆さんなら、どんなことを書くでしょうか?
他社とかぶるような、ありきたりな文言では求職者の目をひきません。歴史があるなら「創業●年の老舗」、成長中の会社なら「今年●店舗新規出店!」、若手中心なら「平均年齢●歳」等、会社独自の文言にとことんこだわるのが得策です。
また、ぜひ触れていただきたいのが「人間関係の良さ」についてのアピール。とあるアンケート調査によると、求職者が職場に求めるものの1位は「人間関係が良いこと」、2位は「良い同僚・上司に出会えること」だそうです。たとえ一言でも、こうしたポイントに触れることで、印象はぐんと良くなりそうですね!

・労働条件は正しく、詳しく記載する
具体的な労働条件を書くのが、求人申込書です。これがしっかり書かれていないと何かとトラブルになりますので、誤りのない様、そして分かりやすい情報提供を心がけましょう。
労働条件で最も重要なのは「賃金」ですが、これに関しては基本給と諸手当を分けてその詳細を正しく記載します。また、「福利厚生」は求職者にとって関心の高い話題ですから、端折らずすべて挙げるのが良いでしょう。

・スキルか年齢か、どちらを求めるか検討する
ハローワーク求人においては、スキルを求めれば年齢制限が出来ず、年齢制限をすればその求人は必然的に若年層や高齢者が対象となる、といった縛りが特に厳密であるのが特徴です。これは平成19年10月の雇用対策法の改正によるもので、現在では基本的に労働者の募集および採用にあたり、年齢の制限を設けることができなくなっています(ただし若年層や高齢者は例外)。
スキルを求めるか、それとも年齢(主に若手)にこだわるか、求人申込書を作成する際にはこの点を戦略的に検討し、求める層に効率良く訴求できる求人広告を打ち出すことが重要であると言えます。

とはいえ、採用にあたっては現状、年齢を重視する企業が多く見受けられますが、果たして本当に年齢にこだわるべきなのでしょうか?
長くなりましたので、このテーマについては次号、掘り下げていくことにいたしましょう。

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