副業・兼業容認へ!「副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)」が公開されました
労務



昨今の働き方改革において、企業における「副業・兼業の在り方」についての見直しが進められています。
現状、社員の副業・兼業を容認しない会社が大半かと思われますが、ワークスタイルの多様化に伴い、副業や兼業を認める方向で、現場レベルでの対応を検討していく必要があります。

このたび、「第4回柔軟な働き方に関する検討会」にて、「副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)」が公表され、併せて就業規則案が示されましたので、さっそく確認しましょう。


この記事の目次

企業は副業・兼業のメリットと留意点を考慮の上、極力柔軟な対応を


ガイドライン骨子(案)によると、現状、多くの企業において副業・兼業を認めていないことに言及しつつも、“労務提供上の支障となる場合”、“企業秘密が漏洩するなど企業秩序に影響が生じる場合”、“信頼関係を破壊する行為がある場合”、“競業に当たる場合”を除き、労働者の労働時間以外の時間の利用の仕方について会社が制限すべきではないとの判例に倣い、副業・兼業は認められるべきであるとしています。

ひと口に「副業・兼業」といっても、その実態は様々です。単に収入を安定させるためだけでなく、スキルアップや社会貢献、能力の活用、家業の手伝い等の前向きな目的から本業の他に仕事をする例も少なくなく、今や副業や兼業を望む労働者は増えてきています。

働き方の多様化を認める、より働きやすい環境を整えるという意味では、企業が副業・兼業を一律に禁ずるのではなく、一定の枠組みのなかで労働者が自由に行える体制を作っていく必要があるのではないでしょうか ?
本ガイドライン骨子(案)では、副業・兼業のメリットと留意点が記載されています。ここに挙げられている観点から、今一度、副業・兼業の在り方をご検討ください。

参照 : 厚生労働省「副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)」


副業・兼業を認める上で、会社が検討すべきこと


時代の流れが副業・兼業を容認すべき方向にあるとしても、それを無制限に許容してしまえば、たちまち本業に支障が生じる可能性が高くなります。

企業側のスタンスとしては、あくまで会社の制度に則った範囲での副業・兼業を認めることとし、ある程度の制限をかけることは必要です。ガイドライン骨子(案)より具体的な観点を3つ抜粋し、下記に挙げておきます。

〇 労働時間の長時間化や企業秩序への影響を考慮し、あらかじめ副業・兼業の内容の届け出をさせる(申請の流れの確立)

〇 労働者の労働状況や健康状態に配慮する(総労働時間の把握、必要に応じた健康診断の実施、時間外・休日労働の免除や抑制等)

〇 労働者の職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を確保する(副業・兼業の関わる規程作成と労働者への周知徹底)


副業・兼業容認に伴い、就業規則の見直しを


これまで、原則として副業・兼業を認めていなかった会社では、今後、就業規則の見直しが必須となります。
今回、ガイドライン骨子(案)と併せて、副業・兼業に対応したモデル就業規則の改訂案も公開されていますので、参考にしてみてください。

参照 : 厚生労働省「モデル就業規則の改定の方向性(副業・兼業部分)」

上記改訂案に記載されている事項の他、会社によってはその他の条文との兼ね合いから変更が必要になってくる箇所が出てくるケースもあります。
就業規則改訂の際には、社会保険労務士等の専門家にご相談いただくのが安心です。


まとめ


今号のテーマである「副業・兼業」については、以前もSHARES LAB内にて取り上げたことがあります。こちらの記事では、すでに副業・兼業を容認している企業の好事例が紹介されています。今回の記事と併せてご確認ください。

参照 : SHARES LAB『社員の副業、どう対応する ? 「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」が公開されました』

ところで、副業・兼業を考える上では、制度作りに先立ち、御社の社員の副業・兼業の実態と、「なぜ社員が副業や兼業を望むのか」にも目を向けることが不可欠です。十分な収入を得るためにやむを得ずやっているのであれば、まず御社の給与体系の見直しが必要かもしれません。

また、会社への不満から、転職や起業に向けた準備のための副業・兼業である場合もあります。その場合には、労働者の不満にまず耳を傾けなければなりません。
「時代の流れだから」というだけで安易に副業・兼業制度を導入するのではなく、その背景に目を向けることで、会社として今後考えていくべきことが見えてくるはずです。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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