12月に入り、企業においては何かと慌ただしい季節がやってまいりました。とりわけ建設業においては例年、年末年始にかけて建設工事が集中することから、労働災害の発生件数が通常よりも多くなっています。
現場においては今一度、労災事故防止のための取り組みを見直されることをお勧めします。
- 12月~1月は「建設業における墜落・転落災害防止対策強化キャンペーン」が実施されます
- 「墜落・転落災害防止」のための取り組みは万全ですか ?
- 建設業で増加する「自殺」・・・、メンタルヘルス対策へのさらなる取り組み強化を
- まとめ
12月~1月は「建設業における墜落・転落災害防止対策強化キャンペーン」が実施されます
厚生労働省では、労働災害の発生件数が増加傾向となる年末年始に、建設業に向けた墜落・転落災害防止対策強化キャンペーンを実施します。
建設業における死亡災害で最も多いのが「墜落・転落災害」であることから、各現場においてより一層、防止対策の推進に努める様呼びかけを行っていきます。
参照 : 厚生労働省「No more! 墜落・転落災害 @建設現場」
「墜落・転落災害防止」のための取り組みは万全ですか ?
上記URLよりご覧いただけるリーフレットには、建設現場で確認するべき9つの実施時効(基本事項)の他、足場に施すべき“より安全な措置”として「上さん・幅木などの設置」「手すり先行工法、及び、働きやすい安心感のある足場の採用」「足場等の安全点検の確実な実施」の解説が掲載されています。
加えて、はしご・脚立、屋根の上等からの墜落・転落防止対策についても紹介されています。「うちでは事故が起こったことはないから大丈夫」と思い込むのではなく、基本的なことでも一つひとつの状況を目で見て、確認しながら日々の業務に取り組んでいく姿勢が重要です。
建設業で増加する「自殺」・・・、メンタルヘルス対策へのさらなる取り組み強化を
さて、今回のキャンペーンは「墜落・転落災害防止」が主となっていますが、建設業において近年特に問題視されているのは「メンタルヘルス対策の遅れ」です。
厚生労働省が公表した平成28年度「過労死等の労災補償状況」によると、職場のストレス等に起因する精神障害の労災補償について、建設業では申請108件、支給決定54件という結果になっています。支給決定のうち、およそ3割が「自殺」によるものと、他のどの業種よりも高い割合であることが明らかになっています。
こうしたデータが判明する一方で、建設業においては十分なメンタルヘルス対策が実施されていないケースを散見します。
その理由として、建設現場においては一定の工期の中で日々就業者が入れ替わるために現場でのストレス対策が難しいこと、事業所単体ではストレスチェック制度義務化の対象外となることが多いこと等、建設業特有の背景が挙げられるようです。
建設業におけるメンタルヘルス対策については、下記のウェブサイトにて取り組みが紹介されています。ぜひ参考にしてみてください。
参照 : 建設業労働災害防止協会「建設業におけるメンタルヘルス対策」
まとめ
SHARES会員の皆様の中には、建設業に従事する方も少なくないでしょう。建設業というと、業界特有の諸々の難しさはあるものの、問題を放置していてはこれからの超人手不足時代を生き抜くことは困難です。
今後は、一つひとつの課題に対してどう取り組んでいくかに目を向けていくことが肝心であると言えます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ