「すぐ休むモンスター社員」の対応の基本はこれだ!
労務


この記事の目次
モンスター社員対策の基本はこちらをご覧ください。
参照 : 「モンスター社員」対策の基本中の基本はこれだ !

私が受ける相談で比較的多いのが「すぐ休む」社員のことです。体調が悪い、と言われると、無理に会社に来させるわけにもいかず、とは言っても放置しておくことは仕事の進捗にも職場の士気にも影響しかねません。
毎日、きちんと会社に来る経営者や社員から見れば、「責任感あるのかよ ! 」と怒りたくなる気持ちは良くわかります。

ここでは、体調を理由に頻繁に休む社員の対応方法について解説をします。


まずは従業員の健康状態をチェック。うつ病の危険性も認識すること


まず認識しておくべきことは、勤怠が悪いということは、うつ病の一つのサインであるということです。
ここで「責任感が足りない」という注意の仕方をすると、その責任感が自分を追い込んでしまい、ますますうつ病を進めてしまう危険性があります。
特に勤怠が悪くなる前にプライベートでも仕事でも大きな変化があった後はうつを引き起こしやすいので要注意です。その変化とは「死別」「仕事のミス」といったネガティブな出来事だけではなく、「結婚」「昇進」といったポジティブな出来事でも同様にうつを引き起こすこともあります。

「すぐ休む」社員の基本対応は、怒る前に病気を疑うことです。目につくほど欠勤を繰り返すようなら、まず病院で診断することを薦めましょう。就業規則に事前に記載しておけば、医師からの診断書の提出を義務付けさせることもできます。
本当に病気であることを確認できれば、そこから休職や契約内容の変更、自然退職といった次の手を検討することができます。

特にうつの場合は、その原因を突き止めることが大事です。その原因が会社にあった場合、休職満了後の退職となる時点でトラブルになる可能性があるからです。


就業規則で休職のルールを確認する


就業規則で休職のルールを確認してください。就業規則が無い、あるいは休職の規程がなければ、すぐに作りましょう。「連続して〇日欠勤が続いた場合、休職に入る。」「〇ヶ月以内に〇日欠勤があれば休職に入る。」と記載されていれば、そのルールに合わせて休職という措置を取ります。そして「休職が〇日以上続いて、復職できない場合は退職する」として、復職条件に「医師の診断書」を求めます。「診断書を書かせる医師は会社が指定する」としておいた方が、会社としては安心感があります。
また、復職できた場合でも、「復職して〇日以内に再び同じ理由で休職に入る場合、休職期間を通算する」としておくことで、同じ理由で休職・復職を繰り返すことを防ぎます。
また、休職時は原則無給であることも示しておくべきでしょう。

このように、ルールを決めておくことは「ずる休み」を防ぐ手段にもなります。ずる休みをした結果として、出社できなくなれば自分の生活やキャリアに大きな影響が出ます。また余計な義務も発生するとなれば、気軽に休むのは得策ではないと社員が考えるようになります。そのためにも作った就業規則は厳格に運用してください。もちろん、診断書を出さないなどの業務命令違反があったときには、懲戒も視野に入れることは言うまでもありません。


社員には「健康に働く」義務がある


そもそも、社員には健康で働くという「自己保全義務」があります。欠勤を繰り返すということは、個人と結んでいる雇用契約に違反をしているのです。モンスターと呼ばれる社員には、会社が簡単に社員を解雇できないことを知っていて、軽い気持ちで欠勤を繰り返すような人もいます。仮病や出勤できる程度の軽い病気であれば「自身が行っていることは契約で結ばれた義務を違反している」と説明をしましょう。

私傷病による休職は、法律で決められているものではなく、理屈で言えばその規程を設ける義務はありません。休職をさせるということは、雇用契約を結んだまま労働の義務を免除することであり、いわば会社の温情に過ぎないのです。
私は、本当に病気を患い休まざるを得ない人のために、休職規程そのものは存在させるべきと考えますが、この規程によって休む必要の無い人まで休ませることはあってはいけません。理由に乏しいながらも欠勤を繰り返す社員には、契約違反を犯しているということを前提に対応をしてください。


まとめ


「すぐ休む」社員の対応は、まず理由を突き止めるところから始めてください。特にうつ病の場合は、会社側に責任がある可能性もありますので、慎重な対応が求められます。
そのうえで、就業規則に記載されている休職の規程に従って、厳格に運用をしてください。本当に病気ではなく会社を休むのは契約義務違反です。

以上が、「すぐ休む」社員への対応の基本になりますが、実際には個々の事情の中でそれぞれ判断が必要になります。迷うようなことがあれば、ぜひ専門家である社会保険労務士にご相談をいただきたいと思います。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 社会保険労務士 村田 淳のページ

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。