キャリアアップ助成金の正社員転換コース 〜8つの準備とポイント解説〜
労務


今回の記事では、平成29年4月1日より金額が大幅に増額されたキャリアアップ助成金の正社員転換コースについて説明します。

この記事の目次

キャリアアップ助成金の正社員転換とは?


有期契約労働者などの正規雇用労働者・多様な正社員等への転換などを助成するのがキャリアアップ助成金の正社員化コースです。
大企業と中小企業とでは、金額が異なります。
詳細は、下記の図の通りです。

正社員化コース

⦁ 6か月以上の有期契約労働者を正規雇用に転換した場合、助成金が1人あたり中小企業の場合57万円(生産性向上の場合、72万円)
⦁ 有期契約のアルバイトを無期雇用労働者へ転換した場合、助成金が1人あたり中小企業の場合28.5万円(生産性向上の場合、36万円)

厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内」より抜粋


このように、中小企業にとって手厚い助成金制度となっています。

キャリアアップ助成金正社員転換コース受給の要件


キャリアアップ助成金の申請はすぐに行えるものではありません。
事前準備が必要となります。以下に、8つの事前準備をあげます。

1.雇用保険、労災保険に加入をしていること


キャリアアップ助成金は、事業者が雇用保険、労災保険に加入していることは必須となります。

2.キャリアアップ管理者を選定すること


有期労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる者となります。
なお、キャリアアップ管理者は、事業所ごとに選定する必要があり、事業主が事業所全体のキャリアアップ管理者になることはできません。

3.キャリアアップ計画書を作成し、都道府県労働局へ提出し、受給資格の認定を受けること


申請の事前にキャリアアップ計画書を作成する必要があります。
計画書の書式は、厚生労働省のホームページよりダウンロードができますが、作成の際には、労働組合などの意見を聴く必要があります。
また、作成したらそのままではなく、事前に都道府県労働局に提出をしましょう。

4.正社員化に関する項目を掲載した就業規則の改定


就業規則の改定を行う必要があります。就業規則がない場合は、別途作成する必要があります。

5.対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類(賃金台帳等)を整備している事業主であること


6.キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること


7.対象となる労働者の把握


対象となる労働者については、「支給対象事業主に雇用される期間が通算して6か月以上の有期契約労働者」など色々と細かい規定があります。
対象となる労働者については、専門家に一度相談された方が無難です。

また、下記の労働者については、助成金が増額されます。

(1) 派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合
(2) 母子家庭の母等又は父子家庭の父を転換等した場合
(転換等した日において母子家庭の母等又は父子家庭の父である必要があります)
(3) 若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した
場合
(転換等した日において35歳未満である必要があります)


8.できれば、生産性要件を満たすこと


生産性要件を満たしていると、助成金の金額が増額されます。生産性増額の要件は、下記のとおりです。

・ その3年前に比べて6%以上伸びていること
・ その3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること
※②の場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていることが必要です。
※算定対象期間に満たない会社は生産性要件の対象とはなりません。
※生産性要件の算定の対象になった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。



キャリアアップ助成金正社員転換コース申請のポイント


⦁ 自分の会社が中小企業であることを確認すること


中小企業と大企業とは助成金の金額が異なります。
中小企業と定義される企業は、下記のとおりです。

中小企業の定義

厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内」より抜粋


⦁ 15人まで対象となること


1年度1事業所当たり支給申請上限人数は15人まで助成金の対象となります。
これ以上を超えると、対象とはなりませんので、ご注意ください。

⦁ 1年度1事業所当たり、最大1,080万円まで受給可能であること


1年度1事業所最大1,080万円まで受給可能です。

まとめ


キャリアアップ助成金正社員化コースは、新規雇用時のリスク軽減、非正規雇用労働者のモチベーションも高まります。

ただし、事前の準備がかなり必要であり、特に対象となる労働者、就業規則の改定、生産性要件については、専門家への相談が必要です。
採用や職場の活性化に役立つ制度ですので、ぜひ一度相談してみてください。


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