障がい者法定雇用率引き上げと同時に、「精神障がい者に関わる算定特例」が施行予定です
労務


平成30年4月1日より、障がい者の法定雇用率が引き上げられることは、すでにSHARES LABにてご紹介している通りです。

【参考】SHARES LAB『今後は従業員46名で1名雇用 ! 平成30年4月より、障がい者雇用率が引き上げられます』

このたびはその続報として、同じく平成30年4月1日より施行予定の「精神障がい者である短時間労働者に関する算定特例」について、ご紹介することにしましょう。

この記事の目次

要件を満たす「精神障がい者である短時間労働者」は、特例的に「1人をもって1人」とみなされます


昨年末実施された第74回労働政策審議会障害者雇用分科会における、「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」についての諮問の概要は下記の通りです。

≪精神障害者である短時間労働者に関するカウント方法≫
精神障害者である短時間労働者であって、新規雇入れから3年以内の者又は精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の者に係る雇用率のカウントにおいて、平成35年3月31日までに雇い入れられた者等については、1人をもって1人とみなすこととする。(現行は1人をもって0.5人とみなしている。)

<留意事項>
・ 退職後3年以内に、同じ事業主(※)に再雇用された場合は、特例の対象とはしない。
※ 子会社特例、関係会社特例、関係子会社特例又は特定事業主特例の適用を受けている事業主の場合は、これらの特例の適用を受けている、当該事業主以外の事業主を含む。

・ 発達障害により知的障害があると判定されていた者が、その発達障害により精神障害者保健福祉手帳を取得した場合は、判定の日を、精神保健福祉手帳取得の日とみなす。
【出典】厚生労働省『資料1-2 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要』



資料によると、障がい者雇用を取り巻く状況について、近年では新規求職者数、就職者数共に増加傾向にあることが明らかになっています。一方で、職場定着率の観点から見ると、精神障がい者の場合、その他の障がい者と比較すると依然として低く、対策が必要であることが分かります。

そこで、まずは精神障がい者の中でも比較的職場定着率が高く、さらに入職後の長時間勤務への移行割合の高い「週20~30時間勤務の短時間勤務労働者」の就労を奨励することで、精神障がい者の社会的活躍をリードしていこうという意図から、このたびの特例が検討されているものと考えられます。

精神障害者の職場定着率(就業定着率)
【出典】厚生労働省『資料1-2 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要』

今一度確認したい、今春から変わる「障がい者の法定雇用率」


ここで、平成30年4月1日から引き上げとなる「障がい者の法定雇用率」について、今一度復習しておくことにしましょう。対象となる民間企業の事業主の範囲が、「従業員45.5人以上」に広がります。また、平成33年4月までには、更に0.1%引き上げが予定されています。

2.3%となれば、対象となる事業主の範囲は「従業員43.5人以上」となりますので、早めに対応の検討を進めておくことをお勧めします。

今号でご案内した特例の活用を検討しつつ、御社に合った形で障がい者雇用を推進していきましょう。

法定雇用率

障がい者雇用への理解を深めるために、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座受講のススメ


障がい者雇用については、未だ企業における理解が十分に進んでいるとは言い難い現状があります。単に法定雇用率を満たす目的だけで、受け入れ体制も整わないまま雇い入れたとしても、障がいを抱える労働者の職場定着を図ることは難しいでしょう。もっとも、障がい者の離職は必ずしも会社側に原因のあることではありません。しかしながら、少なくとも、障がい者が活躍できる職場環境を整えることは、企業における社会的責任であると言えます。

障がい者雇用への理解を深める目的で、厚生労働省では全国で「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を開催しています。今回新たに障がい者を雇用することとなった企業の事業主様、人事担当者様であれば、ぜひ受講されてみてはいかがでしょうか?
【参考】厚生労働省『精神・発達障害者しごとサポーター』

まとめ


これまで障がい者雇用の実績のなかった企業では、このたびの法定雇用率引き上げを受けて、不安に包まれているケースもあるかと思います。実際には都度の対応が重要となりますが、事前準備としてまずは障がい者の特性や配慮のポイントを知っておくことで、漠然とした不安を軽減できるかもしれません。

厚生労働省主催の講座の活用、雇用の専門家である社会保険労務士との連携によって、難しく感じられる障がい者雇用を前向きに捉えてまいりましょう。

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