【平成30年度】キャリアアップ助成金(正社員化コースなど)変更点まとめ
労務


数ある雇用保険関係助成金の中でも、「キャリアアップ助成金」は、中小企業の事業主様にとって比較的活用しやすい助成金として知られています。

このたび、厚生労働省より、平成30年4月1日以降の取組み・申請に関係する変更点が公表されました。これからキャリアアップ助成金の活用を予定されている事業主様は、ぜひご確認ください。

※本稿記載の内容は、平成30年度予算の成立及び雇用保険法施行規則の改正が前提となっています。そのため、今後、変更される可能性があることにご注意ください。

この記事の目次

正社員化コースは、「転換後に5%以上の賃金増額」「対象となる有期契約労働者は“雇い入れから3年以内であること”」が条件に


まずは、SHARES経由のご相談の中でも特に多い「正社員化コース」に関わる変更予定事項です。

□ 1年度1事業所あたりの支給申請上限人数が「15人 → 20人」へ拡充

□ 正規雇用等へ転換した際、転換前の6ヶ月と転換後の6ヶ月の賃金(※)を比較して、
5%以上増額していること

□ 有期契約労働者からの転換の場合、対象労働者が転換前に事業主で雇用されていた期間が
3年以下に限ること

参考:厚生労働省「平成30年度以降のキャリアアップ助成金について~ 拡充などの主な変更(予定)のご案内 ~」


2つ目の要件に関しては、これまで「有期雇用→無期雇用」に転換した際に「転換前の基本給より5%以上昇給させること」が条件として明記されていました。今回の変更により、「有期契約→正社員」への転換にも、5%以上の賃金増額が必要となる予定です。

なお、「賃金」とは、基本給だけでなく、「賞与(就業規則又は労働協約に支給時期及び支給対象者が明記されている場合)」や「諸手当(通勤手当、固定残業代を含む時間外労働手当、休日出勤に対する休日手当及び本人の営業成績等に応じて支払われる歩合給などは除く)」の総額を指します。

3つ目の要件に関しては、これまでになかった条件の追加です。この変更により、契約更新を繰り返し、すでに長年勤務しているベテランの有期契約労働者は対象外となる予定ですので、ご注意ください。

その他、「人材育成コース」など3コースに変更あり


正社員化コースの他、下記3コースについてもそれぞれ統合・新規追加の内容が予定されています。気になる内容については、下記よりご確認ください。

▲ 画像をクリックすると拡大されます

出典:厚生労働省「平成30年度以降のキャリアアップ助成金について~ 拡充などの主な変更(予定)のご案内 ~」

助成金申請は、専門家に相談を


今回ご紹介した変更については、平成30年4月1日以降に転換等の取組みをした場合に適用されます。例えば正社員化コースの場合、3月31日までに転換させたのであれば、支給申請自体が4月1日以降となっても変更前の要件が適用されます。

キャリアップ助成金を受給するためには、就業規則への規定やキャリアアップ計画の策定・提出、取組みの内容や手順などの過程を一つひとつ慎重に行っていく必要があります。そして当然、要件の変更にも注意しなければなりません。仮にひとつでも不備があれば、それだけで受給の対象外となることも珍しくありません。

助成金の活用を検討し始めた段階から専門家とタッグを組み、確実に受給できる様に体制を整えるのが得策です。

まとめ


今号では、助成金に関わるご相談の中でも特に件数の多い「キャリアアップ助成金」に関わる速報を取り上げました。現段階では未確定の事項ではありますが、本助成金の活用を視野に入れる事業主様であれば、本稿の内容を心得ておかれることをお勧めします。

キャリアアップ助成金に関わるご相談やご依頼については、SHARES公認の社会保険労務にお気軽にお問い合わせください!

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