平成30年10月1日以降、順次「新たな派遣期間制限の抵触日」が到来します
労務


平成27年の改正労働者派遣法施行に伴い、派遣ルールに大きな変更が生じていることは、皆さんすでにご存じの通りです。法改正から3年が経過する今秋、派遣元・派遣先企業双方で、「新たな期間制限のルール」への対応に注意が必要です。

この記事の目次

労働者派遣法に定められる「労働契約申込みみなし制度」


平成24年の労働者派遣法改正では、新たに「労働契約申込みみなし制度」が新設されました(ただし、施行は平成27年10月1日からに猶予されました)。まずはこの制度について、今一度概要を確認しておくことにしましょう。

<労働契約申込みみなし制度>
派遣先が違法派遣に該当することを認識しながら派遣労働者を受け入れた場合、派遣先は派遣労働者に対して派遣元と同一条件での労働契約を申し込んだとみなす制度。
派遣労働者は、みなされた日から1年以内に承諾の意思を示すことで、派遣先との間に労働契約が成立します。



出典 : 厚生労働省「労働契約申込みみなし制度の概要」

労働契約申込みみなし制度が適用される「違法派遣」は、下記のいずれかに該当する場合です。

□ 派遣労働者を禁止業務(港湾運送業務・建設業務・警備業務・病院などにおける医療関連業務)
に従事させること
※医療関連業務については、紹介予定派遣の場合、又は産休・育休、介護休業取得者の代替の場合は派遣が可能
□ 無許可事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること
□ 事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
□ 個人単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
□ いわゆる偽装請負など
参考 : 厚生労働省「労働契約申込みみなし制度の概要」

本号では、少々分かりづらい「事業所単位の期間制限」と「個人単位の期間制限」について解説します。

「事業所単位の期間制限」とは?


平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法には、「派遣先の同一の事業所において3年を超える継続した労働者派遣の受け入れはできない」旨が定められました。事業所単位の期間制限に違反してもなお派遣労働者を受け入れている場合、派遣先は派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなされます。
ただし、派遣労働者の受け入れから3年を経過する日(抵触日)の一ヵ月前までに、派遣先が過半数労働組合等から派遣可能期間を延長するための意見聴取を行った場合、この期間制限をさらに3年延長できます。



出典 : 厚生労働省「派遣先の皆さまへ」

「個人単位の期間制限」とは?


事業所単位の派遣期間制限に加え、改正労働者派遣法では併せて「派遣先の同一の組織単位において、3年を超える同一の派遣労働者の受け入れができない」旨が定められました。

「組織単位」としては具体的には「課」が想定されており、同一の派遣労働者を別の課に配属させることは認められます。派遣先は、派遣労働者に対し「同一企業で長く働き続けたい」のか、もしくは「派遣先を変えても特定業務の従事にこだわって働きたい」のかをヒアリングし、派遣労働者のキャリア形成支援を踏まえた派遣先を用意できるよう努めることが重要です。



出典 : 厚生労働省「派遣先の皆さまへ」

派遣の期間制限には対象外となる労働者がいます


本号でご紹介した「事業所単位」「個人単位」の期間制限について、対象外となる労働者・業務があります。

<期間制限の対象外となる者>
✓ 派遣元で無期雇用されている派遣労働者
✓ 60歳以上の派遣労働者

<期間制限の対象外となる業務>
✓ 終期が明確な有期プロジェクト業務
✓ 日数限定業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ 10 日以下であるもの)
✓ 産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務

その他、平成27年施行の改正労働者派遣法の詳細については、下記のマニュアルをご確認ください。

参考:厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

まとめ


改正労働者派遣法の施行から3年が経過する平成30年秋より、派遣業に関わる企業においてはいよいよ具体的な対応が求められます。今号ではざっくり概要のみのご紹介となりましたが、マニュアルを読み込む、都道府県労働局主催の説明会に参加するなどして、もれのないよう準備・対応を進めましょう。ご不安な場合には、SHARES公認の社会保険労務士までお気軽にご相談ください。

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