東京都独自助成金「働くパパママ育休取得応援事業」とは?
労務


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新年度を目前に控え、弊事務所では平成30年度の雇用関係助成金に関わるお問い合わせが急増中です。概要に関しては、すでにパブリックコメントに付されている「雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」から分かることもありますが、未だ確定された内容ではありません。新着情報に関しては、しばしお待ちいただけますと幸いです。

参考 : e-Gov「パブリックコメント : 雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する意見の募集について」

本稿では取り急ぎ、平成30年度より新たに始まる東京都独自の「働くパパママ育休取得応援事業」に伴う助成金情報をご紹介します。

平成30年度開始!東京都「働くパパママ育休取得応援事業」とは?


「働くパパママ育休取得応援事業」とは、働く男女の長期の育児休暇取得を可能にするため企業に助成金を支給する事業で、平成30年度より東京都で新たにスタートする取り組みです。都内在住で都内に本社・事業所のある企業に勤める男女を対象に、男女別に「働くパパコース」「働くママコース」を設けます。

働くパパコース


対象 : 産休・育休を取得した妻の職場復帰後、子どもが2歳になるまでの間に「連続15日以上」の育休を取得した男性従業員がいる都内全企業
支給額 : 連続15日の育休取得で25万円。以降取得15日ごとに同額を加算する。上限は300万円で、最大180日分
条件 : 1社につき1人分のみ申請可能。年間50社を想定

働くママコース


対象 : 1年以上育休取得した女性従業員について、育休明けの職場復帰支援及び職場復帰後3カ月以上継続雇用した中小企業
支給額 : 定額で125万円
条件 : 1社につき1人分のみ申請可能。年間1000社を想定

参考 : 日本経済新聞「東京都が育休企業へ助成金 新年度からイクメン支援で新事業、14億円計上へ」

いずれも、従業員の育休取得に伴う代替要員確保に必要な費用の助成として支給されます。具体的な要綱の公開が待たれるところです。

男性の育児休業、取得率はどのくらい?


育児休業といえば、女性の取得は一般的になっているものの、男性の取得は未だ進まない傾向にあります。現在の男性の育児休業の取得率がどの程度か、皆さんはご存じでしょうか?

「平成 28 年度雇用均等基本調査」によると、平成28年度の男性の育児休業取得率は、1996年度の調査以来過去最高の「3.16%」とのこと。未だ低い数字での推移ではありますが、取得率は着実に向上しています。


出典 : 厚生労働省「平成 28 年度雇用均等基本調査」

政府は、平成32年までに「男性の育休取得率13%」を達成する目標を掲げており、早急な対策が求められます。

男性の育児休業取得に向けた厚生労働省によるサポート


厚生労働省では、男性の育児休業取得を奨励すべく、ポータルサイト「育MENプロジェクト」を立ち上げ、男性の育児参加への啓発活動を進めています。


出典 : 厚生労働省「育MENプロジェクト」

企業向けのコンテンツとしては、イクメン推進企業の紹介や、育児に理解のある上司(イクボス)による取組事例、社内研修資料、イクメンプロジェクトのイベント情報など、盛りだくさん。今後、男性の育児休業取得を促進していきたい企業においては、参考になるものばかりです。

まとめ


本稿でご紹介した「働くパパママ育休取得応援事業」は東京都独自の取組みですが、政府目標の達成に向け、今後は全国でこうした事業が展開されていくものと予想されます。

マンパワーに限りのある中小企業に現場においては、「育児休業」というと未だネガティブなイメージがつきものですが、助成を上手く活用することで、従業員の両立支援に対し前向きに取り組んでいただきたいと思います。

助成金情報、社内制度の整備については、SHARES認定の社会保険労務士までご相談ください。

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