男性の育児休業取得について知っておくべきこと
労務


男性の育児休業の取得が求められるようになってきました。
2016年度の育児休業の取得率は女性が81.8%に対して、男性は3.16%にすぎません。しかも男性の場合、その育児休業も「5日未満」が56.9%です。
「ワンオペ育児」という言葉に代表されるように、女性の育児負担の重さが社会問題化する中で、知っておくべき男性の育児休業の取得について、解説をいたします。

この記事の目次

1.夫婦同時期に育児休業を取ることが可能


まず、知っていただきたいことは夫婦ともに育児休業を取ることが可能である、ということです。女性が専業主婦でも、同じ時期に育休を取っていても、男性が育休を取る時に制限されることはほとんどありません。
以前は専業主婦など配偶者が育児に専念できる場合に育休の取得を制限できる除外規定があったのですが、既に廃止されています。

むしろ、男性には「パパ休暇」として、産後休暇中に育休を取得していれば、その後復帰しても、もう一度取得することができます。これは、最初の休暇が産後の母親のケアであり、後の休暇は母親の職場復帰を支援する、という意味合いがあります。

また、「パパ・ママ育休プラス」制度も押さえておきたいところです。これは、夫婦ともに育休を取得する場合、通常1歳までという期限を1歳2ヶ月まで伸ばせる制度です。育休から仕事復帰をした直後というのは、環境が変わりかつ子どもの面倒も引き続き見なければいけないので、親にとっては負担が重いところです。
夫婦交替で育休を取得することによって、職場復帰直後の負担をこの制度で軽減することができます。

2.夫の企業へ手紙を出す


厚生労働省の「仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会」によると、企業が取るべきワンオペ育児の防止策の具体例として、育休取得中の社員の配偶者(だいたい夫)の企業に手紙を出す、ということが挙げられています。配偶者の勤める企業に配慮を求めている、ということになります。

手紙を出す方から見ると、その配慮が実施されれば、育休を取得している社員(だいたい妻)の育児負担が軽減され、早期の職場復帰や職場復帰直後の働き方の効率アップが期待できます。

3.男性の育児休業取得で得られる助成金がある


厚生労働省管轄の助成金で「両立支援等助成金」というものがあります。この中の「出生時両立支援助成金」は男性労働者が育児休業を獲得しやすい職場風土作りに取り組み、実際に男性労働者に育児休業を取得させた事業主に助成金を出すものです。

対象労働者が最初に育児休業を取得すると、中小企業主の場合、57万円の助成金が支給されます。翌年度以降にまた育児休業者が生じた場合は14.25万円の支給です。中小企業の場合、5日以上の育児休業の取得が要件の一つになりますので、子どもの出滓を控える男性社員を持つ経営者の方は、一度ご検討をされてみてはいかがでしょうか。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
例えば北欧スウェーデンの男性の育児休業の取得率は90%近くに上ります。社会保障制度が違うので単純な比較はできないのですが、これらの国と比べて、「男性が育休を取得する」という意識が日本は低いというのは事実です。

まずは「男性が育児休業を取得する」という選択肢を、企業や社会が与えていくことが大切です。制度としてはそれなりに整備されてきたところなので、後はどうやって運用するか、というところです。

また、最近の傾向では男性でも育児に関わりたいという希望を持つ方が多くなりました。男性でも育児休業を取れる会社になる、ということは採用という側面からもぜひお薦めしたいと思います。

とは言っても、経営者にとっては社員が育休を取ることについては、手続きや人員の配置で困ることも多いと思います。中小企業であれば、人が一人減ることへの影響は少なくありません。お困りごとがあれば、ぜひ専門家である社会保険労務士にご相談ください。

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