すでにご存じの通り、平成30年4月より障がい者の法定雇用の引き上げが決定しています。このたび新たに雇用義務が生じることとなる会社では、依然として対応に頭を悩ませるケースも少なくありません。お悩みの多くは、かつて前例のない障がい者雇用にいかにして対応すべきか、という点です。
今号では、神奈川県が開設した、障がい者雇用を理解する上で役立つポータルサイトをご紹介することにしましょう。
障がい者雇用の求人から実務上の注意点まで、知りたい情報が盛りだくさん
神奈川県障がい者雇用促進センターが昨年10月に開設したポータルサイトは、その名も「ご活用ください!障害者雇用促進センター」。初めて障がい者を雇用する企業に対し、障がいへの理解促進、支援機関の活用、雇用の検討、実務上の注意点等、実際の事例を交えて解説しています。
出典 : 神奈川県障がい者雇用促進センター「ご活用ください!障害者雇用促進センター」
中でも、「仕事創設のヒント」では、仕事創設の流れや職務の洗い出し方法などが分かりやすく示されており、これまで障がい者を雇用したことのなかった企業にとっては必見のコンテンツです。障がい者雇用に伴い職務内容を整理することは、企業にとってメリットがある旨も解説されています。安易に「うちの仕事は障がい者には難しい」と考えるのではなく、まずはご一読いただき、御社としての可能性を前向きに見出されるのが良いと思います。
障がい者雇用率は、4月からどう変わる?
冒頭でもご紹介した通り、平成30年4月以降、障がい者雇用率は下記の通り引き上げられます。SHARES LABでは繰り返しのご案内となりますが、今一度、下記の法定雇用率表をご確認ください。
出典 : 厚生労働省「平成30年4月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになります」
対象となる事業主は従来の従業員数「50人以上」から「45.5人以上」に変わり、一層範囲が広がることになります。また、平成33年度までには民間企業の障がい者法定雇用率が「2.3%」に引き上げられることが決定しています。今後、従業員「43.5人以上」の会社でも、対応に向けた準備が必要です。
参考 : SHARES LAB『要確認 ! 来年4月1日より引き上げ予定の「障がい者法定雇用率」』
民間企業における障がい者雇用率の現状は?
ところで、現在ではどの程度の企業が、障がい者の法定雇用率を達成しているのでしょうか?
昨年末に公表された「平成29年 障害者雇用状況」では、雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新するも、法定雇用率2.0%に対し、民間企業における実雇用率は「1.97%」と低い数字であることが分かります。法定雇用率達成企業の割合は「50.0%」と、半数が未達の状況です。
参考 : 厚生労働省「平成 29 年 障害者雇用状況の集計結果」
まとめ
前例のない中小企業においては、まずは「障がい者雇用を知る」ことから始まります。今回ご紹介したポータルサイトから情報収集をするほか、都道府県の支援機関への相談やセミナーへの参加を通して理解を深め、新たな人材活用の可能性を見出せるのが理想です。