2018年春闘、「3%賃上げ」届かずも「労働環境の改善」に向けた動きあり
労務


新年度を迎えるに先立ち、今年も春闘の時期がやってきました。日本労働組合総連合会のウェブサイトには、既に第1回回答集計の速報が公開されています。既にご覧になった方もいらっしゃるでしょうか?

この記事の目次

そもそも「春闘」とは?


春闘とは、賃金引上げや労働条件の改善を求めて行われる労働運動のことです。日本では、多くの企業が会計年度を4月1日から翌3月31日としていることから、新年度直前の2~3月にかけての時期に、労働組合が中心となって労働条件に関し要求・交渉を行うことが慣例となっています。
正式名称は「春季生活闘争」です。
参考: 日本労働組合総連合会「春闘(春季生活闘争)」

2018年の春闘については、働き方改革の影響も相まって注目が集まるところです。賃金の引き上げを中心とした各企業の取組みについて、さっそく速報を確認しておきましょう。

政府目標は「3%賃上げ」、実態は「2.16%」の平均賃金引き上げにとどまる


2018年春闘について、第1回回答集計の概要は下記の通りです。

■ 賃金引上げについて、ベースアップと定期昇給分を合わせた平均賃金方式での集計結果は「6,515 円・2.16%(昨年同期比 245 円増・0.10 ポイント増)」であった。

ただし、300 人未満の企業においては「5,770 円・2.17%(同 631 円増・0.1 ポイント増)」であり、2014 春季生活闘争以来 4 年ぶりに率で全体を上回り、額では過去最高となった。

■ 非正規労働者の賃金引上げは、単純平均で「時給 25.98 円(同 2.33 円増)・月給 5,496 円(同 137 円増)」となった。

■ 賃金引上げ以外の「労働条件改善」の実現が目立った。
出典: 日本労働組合総連合会「2018 春季生活闘争 第 1 回回答集計結果について」

政府目標では「企業における3%の賃金引上げ」が提唱されていますが、実態は追いつかず、一部大企業等で手当や一時金などとの合計で3%実現を図るにとどまりました。また、今年度については、例年、大企業のベースアップ額の指標とされてきたトヨタが具体的な額を非公開としたこともひとつの特徴といえるでしょう。

その他、各社の春闘の要求・回答の状況、昨年実績については下記よりご確認いただけます。

参考:日本労働組合総連合会「連合 2018春季生活闘争 共闘連絡会議「回答速報」No.2」

賃金引上げ以外にも、注目すべき企業の労働条件改善策


3%賃上げの目標には未達であったものの、回答速報からは各企業における労働条件の改善に向けた姿勢を垣間見ることができます。
下記の集計資料によると、「長時間労働の是正」「雇用安定」「処遇改善」「男女平等」「女性活躍」「両立支援」等の観点から現場では様々な取組みがされ、各社独自に働き方の見直しが行われていることが伺えます。

参考: 日本労働組合総連合会「労働条件に関する2018春季生活闘争および通年の要求・取り組み件数」

労働者の生活に直接関わる「賃金の引上げ」はもちろん重要な課題ですが、労働者が永く安心して働ける環境を整備することも、欠かすことのできない企業責任といえるでしょう。働き方改革の中で少しずつでも前向きな取り組みがされていることは、確実に評価すべき事柄といえます。

まとめ


春闘に関するレポートは、労働者の賃金や待遇、労働環境を考える上で、どの企業にも参考にしていただける内容となっています。日本労働組合総連合会のウェブサイトには、今後、今年度春闘に関わるまとめのレポートが公開される予定です。

「春闘なんて大企業のみに関係すること」と切り捨てず、小規模企業の事業主様もぜひ一度、内容を確認されてみてください。御社の労働条件の見直しに役立ちます。

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