補助金と助成金の違いとは何か、共通点は何か、専門家が解説します
労務


よくご質問を受けるのが、この「助成金」と「補助金」の違いです。どちらも返済の必要の無いお金を国から受け取れる、という点について同じなので、この2つを混同している方も少なくありません。
今回は「助成金」と「補助金」とはそれぞれ何か、違う点、共通する点について解説をさせていただきます。

この記事の目次

1.助成金は「人」の施策に対して支給される


「キャリアアップ助成金」「特定求職者雇用開発助成金」など後ろに「助成金」と名前のつくものは、基本的に人の施策に対してお金が支給されます。 例えば、採用にあたり支障のある方(障害者や高齢者など)を雇用する、社員の健康に有益な制度を会社に導入する、などといったケースです。 厚生労働省が管轄となりますので、各地方のハローワークや労働基準監督署などにそのパンフレットが置いてあります。

助成金の場合、その申請には就業規則と出勤簿・賃金台帳の提出がほとんどの場合で必須になります。 中小企業からの依頼の場合、これらの書類が整備されていないケースが散見されますが、助成金獲得には必要になりますので、助成金獲得の機会に整備するようにしましょう。

助成金の獲得にあたっては、これらの書類が正しく整備されているか、というところが重要になります。基本的には書類が正しければ、ほぼ支給されるのも助成金の特徴です。これら書類の作成の代行は社会保険労務士の独占業務であり、資格の無い方が書類の作成・申請を代行することはできません。

2.補助金は「事業」に対して支給される


「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」など、後ろに「補助金」と名前のつくものは、事業に対してお金が支給されます。 例えば、システムを導入することで事業の効率化をはかりたいが、資金的にリスクがあるような場合で、こういった補助金の利用が検討できます。 管轄は経済産業庁であり、商工会議所などが主な問い合わせ窓口となります。

補助金の場合は事業の必要性やその具体性が求められることになります。 そのため、事業計画がここでは必須です。 なぜその事業を行うのか、その事業を行うことによって会社にどれくらい利益をもたらせるのか、きちんと練り込む必要があります。

補助金の場合、採択という過程があり、書類が正しければ必ず支給されるものではない、というのも一つの特徴です。採択率は補助金の内容によって大きく違いますが、平均すると40%くらいでしょうか。専門家としては行政書士や中小企業診断士が取り扱っています。

3.「助成金」と「補助金」に共通していること


支給が決まれば、返済の必要がありません。例えば50万円の助成金・補助金を獲得できるということは、利益率5%の会社の場合、1,000万円の売上を得たことと同じになります。 中小企業にとっては魅力的な金額だと思いますので、ぜひ積極的に活用してみてください。

一方で共通認識として押さえておきたいのは「資金繰りには活用できない」ということです。どちらも施策や計画を立て、先に実行していることが求められます。先にお金をもらうことはできないので、「今月は資金繰りが苦しいから助成金・補助金を検討しよう」ということにはなりません。 助成金も補助金も、赤字か黒字かという観点で見るのではなく、会社の必要な施策を行った結果としてのプラスアルファにすぎないということをご認識ください。

また、どちらも支給要件が詳細にわたっており、初見の方が簡単に申請できるようにはできておりません。 また、年度毎に大きく様変わりすることが珍しくないので、一度申請をしても、そのノウハウがあまり役に立たないということもあります。 そのため、本業のある事業主や社員の方が片手間にこれら助成金・補助金の申請を行うことは、時間を取られてしまうので、あまりお勧めできません。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
助成金と補助金は、そもそも支給の目的が違うため、その中身は大きく異なっています。そのため、ご相談はその方の専門分野を確認しながら行いましょう。雇用の分野で獲得できる「助成金」は社会保険労務士の専門分野ですので、ご相談があればお気軽にお問合せください。

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