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6月も下旬にさしかかると、話題はもっぱら夏のボーナス♪「2016年夏のボーナス平均支給額は84万越え」等の報道に驚かれた方もいらっしゃるでしょうが、こちらは日本経済新聞社の賃金動向調査(5月10日の中間集計時点)による、上場企業を中心とした大手のみの集計結果ですのでお間違えのないように。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「2016年夏のボーナス見通し」によると、事業規模5人以上の中小企業を含めた支給額の平均はおよそ35万8409円との見込みのようです。もちろん、こちらの数字にも大手企業が含まれているわけですから、純粋に中小企業だけでみたときの支給額はこの数字の限りではないでしょう。
参考 : 2016年夏のボーナス見通し(PDF) - 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
というわけで、各社概ね7月上旬に支給日を迎える夏のボーナスですが、支払った際には「賞与支払届」による届け出が必要です。会社によっては算定基礎届の提出時期と重複する場合もありますので、忘れないようご注意ください。
「賞与支払届」はお持ちですか?
社会保険に加入する際の新規適用届に賞与支払予定月を記入した場合は、支払予定月の前月に日本年金機構から事業所宛に「賞与支払届」及び「賞与支払届総括表」が送られてきます。まずは手元に届いているかどうかを確認しましょう。
届出用紙には被保険者の氏名、生年月日等が印字されていますので、ご確認ください。印字内容は賞与支払予定月の前々月の19日時点のデータに基づくため、被保険者の印字漏れがある場合があります。その際は空欄に手書きで追記します。
届出用紙が手元にない場合には、下記からダウンロードすることができます。
参考 : 従業員に賞与を支給したときの手続き - 日本年金機構
「賞与支払届」記入の際のチェックポイント
届出用紙が揃ったら、さっそく記入を進めていきましょう。以下、「賞与支払届」作成時に注意すべき点です。
□ ①事務所整理番号
⇒記入が漏れがちですので、忘れずに記入しましょう
□ ④賞与支払年月日
⇒用紙上段の④欄に記入したら、同日に支給する被保険者については個々に賞与支払年月日を記入する必要はありません
□ ㋒通貨によるものの額
⇒通貨によって実際に支給した額を記入します
□ ㋓現物によるものの額
⇒通貨以外の現物によって支給した賞与については、金銭に換算した額を記入します
換算額は『全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)』に準
じます
参照 : 全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額) - 日本年金機構
□ ⑤賞与額
⇒㋒と㋓に記入した額の合計額を、千円未満切り捨てで記入します
□ 用紙上段の「届出コード」「事業所整理符号」「事業所番号」「CD」、及び㋐「賞与支払予定年月」欄は記入する必要ありません
□ 賞与支払届に印字されている方でも、賞与の支払いがなかった場合には記入の必要はありません
賞与の支払いがなかった場合も、「総括表」の提出が必要です
新規適用届にて賞与支払予定月を設定していても、今年の夏は賞与を支給しなかった会社もあるかもしれません。そんな場合にも、「総括表」は提出します。
「④支給・不支給」欄の「1」に○をつけて、必要箇所を記入の上、年金事務所又は事務センター宛に郵送しましょう。この場合、「賞与支払届」は不要です。
ちなみに、賞与支払月の登録変更は「事業所関係変更(訂正)届」にて行うことができます。
参考 : 事業主の変更や事業所に関する事項の変更があったときの手続き - 日本年金機構
以上、今回はごく一般的な賞与支払届の手続き手順をご紹介しました。
内容としてはさほど難しい点はないと思いますが、
・転職・転勤等により被保険者資格の取得・喪失があった場合の標準賞与額の累計
・70歳以上の社員に対する賞与支給に伴う手続き
など、イレギュラーなケースには個別の処理が必要になります。
この時期、手続き関係のご案内が続きますが、一つひとつ確実にこなしてまいりましょう!
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