業界特化型働き方改革!「食品産業の働き方改革 早わかりハンドブック」をご活用ください
労務


各所で働き方改革の必要性が叫ばれる昨今、とりわけ、食品製造業、食品流通業、外食・中食産業などの食品産業では、依然として進まぬ意識改革、課題解決が問題視されています。 このたび農林水産省では、食品産業に特化した働き方改革の指南書となる「食品産業の働き方改革 早わかりハンドブック」を公開し、対策に乗り出しています。

この記事の目次

食品業界に付きまとう「ブラック」なイメージ、原因は?


食品業界といえば、一般的には「労働時間が長い」「給与水準が低い」「常に忙しい」といったイメージを持つ人が多いようです。
公開された「食品産業の働き方改革 早わかりハンドブック」では、冒頭に食品業界特有の問題点を挙げていますが、概ね一般のイメージ通りの事柄が取り上げられています。

・ 食品産業の働く時間は超過勤務時間を含め、他の産業と比較して長い傾向にある
・ 女性従業員、非正規雇用者の割合が高く、離職率が高い
・ 食料品製造業での労働災害発生率は高い


上記を受けて、実際に現場で働く従業員からは、下記への取り組みが期待されています。


出典:農林水産省「食品産業の働き方改革 早わかりハンドブック」

食品業界のイメージアップのためにできること


アンケート調査によって抽出された食品業界特有の課題を受け、働き方改革の主軸とすべき取り組みを検討していく必要があります。同パンフレットでは、下記の観点での課題解決について解説されています。

✓ 意識改革
「そもそも、食品業界とはこういうものだから・・・」という思い込みが、新たな働き方の実現を阻害します。業界イメージを一新し、実際に問題解決をしていく上では、労使双方の意識改革が不可欠です。
まずはトップが考え方を改めた上で、現状を正しく把握しましょう。そのためには、現場をよく知る従業員が主体となって現場を変えていく姿勢が大切です。

✓ 仕事の仕方の再検討
労働時間が長時間化してしまうこと、従業員が休めないことには、必ず原因があります。今一度現場を見つめ、従業員へのヒアリングを重ねながら、実態に活きる対策を検討しましょう。
業務の棚卸やマニュアルの見直しをして仕事にムリ・ムラ・ムダがないかを確認する、休暇を取得しやすい制度を創設する、フレックスタイム制や短時間労働制の導入を検討するなど、施せる工夫はいくつも考えられるはずです。とりわけ「女性従業員や非正規雇用者が比較的多いこと」「営業時間が長時間にわたること」といった食品業界特有の特徴に着目することで、有効な対策が生み出されるでしょう。

✓ 従業員教育の徹底
労働災害が発生しやすい食品業界においては、従業員教育が非常に重要です。過去や他社の事例に学び、労災事故への対策を講じるようにしましょう。加えて、セクシャルハラスメントやマタニティハラスメントなど、女性が多い職場特有のハラスメント対策は不可欠です。
さらに、従業員が食品業界でキャリアアップを見据えて長く活躍できるような研修制度を整えることは、離職率の高さが問題視される食品業界においては大切なことと言えます。

以上、食品業界における働き方改革で有効となりうる取り組みをざっくり解説しました。詳細はパンフレットを参照の上、実態に合った働き方改革の方法を検討されてみてください。

参考: 農林水産省「食品産業の働き方改革 早わかりハンドブック」

参考にしたい、食品業界を牽引する企業の取り組み


同パンフレットでは、実際に企業で行われている取り組み事例がいくつも紹介されています。比較的大規模な企業の事例ばかりですが、同業種の取り組みという点では参考になる部分も多いのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、「こういう業界だから仕方ない」では、一向に働き方改革は進みません。既存のイメージや実態にとらわれず、労使が一体となって、前向きに働き方を変えていく姿勢が求められます。

まとめ


今号では、業界に特化した働き方改革の事例として、食品業界を取り巻く諸問題と解決のヒントをご紹介しました。しかしながら、ここでご紹介した事柄は食品業界のみならず、あらゆる業界の取り組みにも参考になることばかりです。

以前SHARES LABでご紹介したIT業界の働き方改革パンフレットと併せてご確認いただき、御社の働き方改革にお役立てください。

参考:『ブラックな業界イメージを払拭 ! 「IT業向け働き方改革ハンドブック」が公開されました』

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