引継ぎもせずに急に退職をするモンスター社員への対応はこれだ!
労務


残念ながら、突然会社に来なくなる、いわゆる「バックれ」退職というのは起こり得ます。当人にも言い分はあるでしょうが、社会人としての責任の放棄であり、やってはいけないことなのは当然です。 会社は明日も明後日も続くのであり、引継ぎされないまま退職されると、会社も困ってしまいます。

ところが当人が会社に来なくなってしまえば、経営者としては泣き寝入りになってしまうのでしょうか。いいえ、突然会社に来なくなったモンスター社員にも、できることがあるのです。
今回は突然退職をするモンスター社員への対応についてお伝えいたします。

この記事の目次

1.就業規則に「業務を引き継ぐこと」の義務と明示する


「社員は、退職または解雇の時に、会社の指定する者に対して、業務の引継ぎをすみやかに完了させなければならない」という規定を就業規則に盛り込んでおきます。場合によっては懲戒解雇もあり得るということが、急な退職を防ぐ抑止力につながります。懲戒解雇されたという事実は、次の転職先を探す際に不利になる可能性があるからです。

もっとも、本当に懲戒解雇までできるかという点について、判例では解雇が否定されたケースもあります。あくまでこの条文は社員に対する警告としての文言であると認識してください。

2.退職金規程に「引継ぎの完了」を退職金支払いの要件とする


退職金規程のある会社であれば、「引継ぎを完了させておくこと」を退職金支払いの要件に加えておきましょう。引継ぎ完了であることを担当者間あるいは上司部下の間で、書面を取り交わすフローになっているのがベストです。

こうしておけば、急な退職の場合、退職金の支給ができなくなります。社員としては自分の行動によって損はしたくないはずなので、引継ぎをしようという意識になることが期待できます。

3.就業規則に「退職月のみ現金を手渡す」と盛り込む


退職金規程が無いのであれば、「退職時のほか会社が特に必要と認める場合には本人指定金融機関等の口座への振込によらず、直接手渡しにより支払う」と規定しておいてはいかがでしょうか。急な退職の場合、まだ最終月の給与は支給していないはずなので、それを手渡しに変えることができます。

こちらも、社員としては金銭的な損を被りたくないので、出社せざるを得ない状況になります。そこで引継ぎを行えるかどうかは別の話になってしまいますが、少なくとも、その社員に対して給与を手渡す過程で、少しお灸を据えることくらいはできるはずです。

ちなみに、最終月の給与の減額については、就業規則に明記されている懲戒による減額以上のことはできません。しぶしぶ当人が会社に来た場合、退職月の給与は賃金規程に従って渡してあげてください。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
既に退職をしようとしている社員にできることは限られています。残念ながら、「絶対に引継ぎをさせる」という手立てはありません。会社としてできることは、引継ぎをしたくなる、せめて引継ぎをしないと自分が損になる、という状況を作っておくことです。また、経営者の精神衛生上の観点からも、これまで述べてきたような対策は、いざという時のために取っておいた方が良いでしょう。

結局、社員とのコミュニケーションを密にして、急な退職をされる前に相談をされるだけの人間関係を構築することが最良の方法なのです。自分勝手にしか見えない急な退職でも、必ずそこには理由があります。普段の会話から、その理由を排除していくことが、一番の対応策と言えるでしょう。

就業規則や退職金規程を変更する際には、様々な方法やしておくべきことがあります。少しでもご不安があれば、ぜひお近くの社会保険労務士にご相談をください。

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