もうすぐ夏休み!計画年休を使って、有給消化率をアップさせましょう!
労務


日本の有給休暇の消化率は50%程度であり、政府はこれを75%程度まで引き上げる目標を立てています。有給休暇の消化ができない理由の一つとして、社内の雰囲気などで有給が取りづらい、といったことがあります。そこで、年次有給休暇の計画的付与(以下、計画年休)の制度を使って、有給消化率のアップを図ってはいかがでしょうか。

この記事の目次

今回は計画年休の制度について、解説をいたします。

1.計画年休とは


計画年休とは、会社の方から有給休暇を使う日を社員に指定できる制度です。強制的に取得させることができると言って良いかもしれません。

取得させる対象としては、事業場全体でも、個別・班別といった単位でも構いません。計画年休は会社から時期を指定しますので、社員側からその時期を決定・変更することはできません。通常の有給と大きく違うのは、社員の時季指定権が及ばないというところです。

使い方としては、長期休暇を実現できる方法が一般的です。例えば、夏休みとして、あるいは就業規則上の夏休みの前後に付与する方法です。あるいは年末年始の休暇の前後やGWの間にある平日も計画年休を付与しても、やはり長期休暇の取得を可能にします。

2.計画年休制度を導入するためには


計画年休制度を導入するためには、就業規則上で計画年休があることを定めましょう。そのうえで、同制度は2つの要件が必須になります。

1、労使協定により計画年休の対象者、実施時期などを定めること
2、各労働者の年休のうち5日を超える部分を対象とすること


計画年休は1にあるように、会社からの一方的な通達で決めることはできません。必ず社員の代表者との合意が必要になります。ただし、労基署への届出は不要です。

2は社員には必ず5日分の自由に有給休暇を取れる余地を残しておきなさい、という意図になります。有給休暇全部を会社が時期を決めてしまうことは、社員側の有給休暇の時季指定権を奪ってしまうことになるのです。

3.有給休暇が足りない人はどうするの?


例えば2日の計画年休を行ったとした場合、計画年休を付与できるのは「5日を超える」部分ですので、最低でも7日は残っていなければいけない、ということになります。このように有給休暇の日数が足りない場合はどのようにすれば良いのでしょうか。

方法としては

1、通常出勤させる
2、有給の特別休暇を与える
3、休業手当を与える


といったことが考えられます。

1の方法は、個別・班別の付与方法で、事業場全体が休みにならないケースのみ選択ができることになります。事業場が休みにならないのに、有給が足りない状態でも計画年休に従って本人の意思で休むなら、欠勤扱いにしても良いでしょう。

2の特別休暇とは、就業規則に有給の特別休暇の制度をあらかじめ記載しておく方法です。有給休暇の追加でも構いません。

1も2も取れないとなると、3の休業手当を支給する必要があります。休業手当とは、会社都合で社員が出社できない場合に、平均賃金の6割を支給する制度です。

1の方法が取れない場合は、有給休暇が足りなくても休ませるしかありません。そうなると、特別に有給の休暇を付与するか、休業手当を付与するかの選択になります。会社から見ると、有給の休暇にする方が金銭的負担は高いですが、事務処理の手間としては楽になります。自社の事情から選択をしてください。

まとめ


いかがでしたでしょうか。計画年休を取り入れることで、有給休暇の取得率は確実にアップします。有給消化率の高い会社は、それだけ社員に優しい会社と判断されますので、社員の定着率アップや採用時のアピールポイントとして活用できることにもなります。

社員が定着しない、採用に苦しんでいる会社であれば、計画年休の制度の採用を検討してみてはいかがでしょうか。制度の詳細や導入、実務に関しては、お近くの社会保険労務士にぜひ相談をしてみてください。

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