今夏は異常な猛暑!「職場における熱中症予防」を確認しましょう
労務


夏に暑さはつきものとはいえ、全国各地で35度越え、中には40度を観測する都市も出るなど、例年にない酷暑に見舞われる今夏。気象庁からは「30年に1度もない異常気象」との見解が示され、熱中症予防の注意喚起がされています。
企業においては労働災害防止の一環として、「職場における熱中症予防」に目を向ける必要があります。

この記事の目次

5月1日から9月30日まで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施中

厚生労働省では、職場における熱中症予防対策を推進する取り組みとして、例年5月~9月にかけて「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。

出典: 厚生労働省リーフレット「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」

この期間、一般企業を対象とした熱中症予防の講習会を実施、特設サイトを開設して熱中症予防の呼びかけ、協賛団体による支援といった取り組みが重点的に行われています。

参考: 厚生労働省特設サイト「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン(職場における熱中症予防対策)」

職場における熱中症対策を講じることは、いわば事業者の責任。全国各地で異常な暑さを観測する今夏、今一度、必要な対策が取られているかを確認されることをお勧めします。

「職場における熱中症予防」のポイントは“正しい状況把握”

職場の熱中症対策として、具体的にどのようなことに取り組むべきかは、下記のマニュアルにて詳しく解説されています。

参考:厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課「職場における熱中症予防対策マニュアル」

マニュアルではあらゆる対策が紹介されていますが、総じて「適切に状況を把握すること」が対策の基本であることが分かります。

暑さ指数(WBGT値)の把握
作業環境(服装、休憩場所、暑さ指数を下げるための設備、作業時間等)の把握
労働者の健康状態の把握

上記を正しく把握するために、事業者は事前のヒアリングや作業中の巡視を行う必要があります。その上で、積極的に暑さ指数の低減対策を実施したり、水分・塩分の摂取やこまめな休憩を促したり等の他、状況に応じて作業の中止や中断を判断することも、労働者の健康管理上大切です。

「安全衛生推進者」又は「衛生推進者」の選任はお済みですか?

厚生労働省では、熱中症予防の推進役として「熱中症予防管理者」を選任し、労使に対する労働衛生教育や適切な作業管理にあたらせることを推奨しています。この予防管理者となるのに相応しいのが、労働安全衛生法に定められる「安全衛生推進者」「衛生推進者」「衛生管理者」等ですが、小規模の事業場においては選任すべきこれらの担当が選任されていないケースも少なくありません。

出典:株式会社ウェルネット「安全衛生推進者・衛生推進者」

業種を問わず、事業場ごとの従業員数10名以上から、推進者の選任義務が生じます。今一度、御社における選任状況をご確認ください。

まとめ

熱中症による死傷者数は、例年400~500人にも上ります。「職場」の観点から見ると、特に建設業で多く熱中症事例が発生している状況ではありますが、酷暑に見舞われる今夏においては、どの業種においても労働者への注意喚起、事業者による適切な対策が必須となります。まずは、状況を適切に「把握」し、必要な対策を検討してまいりましょう。

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