エアコンの効いたオフィスに「暑い」「寒い」を言う社員への対応を、専門家が解説。
労務


暑い日が毎日続きます。エアコンを目いっぱい効かせている会社も多いのではないでしょうか。ところが、このエアコンによる快適な温度というのは個人差があります。人によっては快適な温度でも、別の人によっては暑すぎたり寒すぎたりすることがあります。
エアコンを「暑い」「寒い」という社員に対して、会社はどこまで対応しなければいけないのでしょうか。今回はエアコンと職場環境の関係について、解説をいたします。

この記事の目次

1.会社が行わなければいけないこと

労働安全衛生法では、「事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。(第65条の3)」とされています。この時期であれば、酷暑の中でも熱中症など健康を損ねるような環境で仕事をさせてはいけないことになります。

また、「事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。(第71条の2)」とあり、この職場環境をずっと快適にすることが努力義務とされています。
少なくとも、エアコンの温度に無頓着であることは許されず、社員と協力をしながら、快適に過ごせる環境を用意することが会社では必要になります。

2.どれくらいの温度であれば良いのか

東京都福祉保健局が出している、快適な居住環境の状態を示すガイドラインである「健康・快適居住環境の指針」によると、冷房を使う場合の室温は25度から28度、外気との温度差が7度以内であることが健康に過ごすための一つの目安だそうです。

おそらく、特に2011年の大震災以降、節電の必要性からオフィスの室温を28度に設定している会社は多いのではないでしょうか。しかし、オフィスの密集具合によっては、もう少し下げても、健康への配慮面という点では問題無いと思われます。

過度な節電で室内の温度を上げてしまえば、最悪室内であっても熱中症になる危険性があります。特に今年は殺人的な暑さが続いていますので、社員の健康を第一に考えて温度管理を行ってください。

3. 社員の要望すべてを聞く必要は無い

人によっては快適な温度が違います。では、エアコンをつけると「寒い、寒い」という人にはどう対応すれば良いでしょうか。

結論としては、快適な職場環境の形成に努めているという前提であれば、一人ひとりの意見まで反映をさせる必要はありません。当人に防寒の努力を促してください。全体の最適化を考えれば、当人に防寒を指導することも、「快適な職場環境の形成」に努めていると言えるでしょう。

エアコンの場合は座席の位置関係によって体感温度が変わりますので、席替えをするのも効果があるでしょう。また、ひざ掛けや毛布を用意してあげるなど、個人的な配慮を行うことで、会社へのロイヤリティがアップするかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 オフィスを快適な温度に保つことは、生産性の向上にもつながります。たまにオフィスの温度は快適かどうか、社員に確認をすることを習慣づけてはいかがでしょうか。オフィスの温度もコミュニケーションを取る一つのきっかけだと考えてみてください。

エアコンの温度を強制されることを「エアハラ」と言うそうです。何でもハラスメントとしてしまう傾向には違和感を覚えますが、こういった流行の言葉に乗せて不満を具体化させる社員が出てもおかしくありません。エアコンの温度一つ取っても、職場の定着率や社員の満足度に影響するのです。

エアコンの温度の調整は電気工事の方にお任せしますが、エアコンの温度が社員間のトラブルに発展するようであれば、社会保険労務士の方が調整できるかもしれません。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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