誰もが加害者になる可能性がある!知らないでは済まされないマタハラについて、専門家が解説。
労務


マタハラとはマタニティハラスメントの略で、妊娠・出産を理由とする不利益変更や嫌がらせとなる言動を行うことを指します。ちなみに男性が育児参画したり育児休業を取得したりする際に同様のことを行うと、パタニティハラスメント、略してパタハラということがあります。

どちらにしても、最近のライフワークバランスにシフトする世の中で、経営者や会社で働く人が知っておくべきことになります。自分が知らないところで加害者にならないように、その言動には十分注意をしましょう。
ここでは、マタハラ・パタハラに関して認識しておきたいことを解説します。

この記事の目次

1. 「女性から女性のハラスメント」が多いのがマタハラの特徴

ある調査によると、マタハラの加害者の性別を分析したときに、同僚・部下の女性から受けることが多かったという結果が出ています。ある社員が妊娠・出産で休職すると、その仕事を代わりに負担するのも同僚・部下の女性になりがちなため、このような結果になったと推測できます。

このことは、ハラスメントの教育対象がこれまでと変わってくることを意味します。これまで、社会にそれなりに浸透してきた「セクハラ」「パワハラ」は、イメージとして中高年男性がメインの教育対象になっていたと思います。
この問題は、女性が女性を攻撃する構図が出来上がるため、性別を問わず一般社員からマタハラ・パタハラへの意識付けをしていく必要があるのです。

2. マタハラ発言と助言の違い

では、どのようなケースがマタハラ・パタハラになるのでしょうか。不利益変更についてはわかりやすいのですが、日ごろの発言や就業環境については、コミュニケーションとハラスメントの境目が曖昧になりがちです。

ポイントは「身体を慮っているかどうか」です。業務上に必要な言動はハラスメントになりません。例えば、妊婦検診のための休暇を申し出があった際、「この日は会議があるから出席してほしいので、身体が問題なければ検診の日を変更できませんか」と申し出るのはOKです。ただし、体調も考慮せずに「変更しなさい」と命令はできません。

妊婦や育児に関わっていると、責任感が強い人ほど、周りの発言が気になるものです。本人に無理をさせないためにも、身体のことを優先させる雰囲気を作ってください。

3. マタハラ防止措置は会社の義務である

平成29年1月1日から、男女雇用機会均等法、育児介護休業法で「ハラスメントの防止措置」が義務付けられました。ポイントは「努力義務」ではなく「義務」である、ということです。企業規模にかかわらず、「何もやっていません」は通りません。

では、何をしておけば良いかということになりますが、以下のようなことが挙げられます。

・ハラスメントに対する事業主の方針の明確化とその周知・義務
・相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・ハラスメントへの迅速な対応
・ハラスメントの原因を解消するための措置
・その他講ずべき措置(プライバシーの保護など)


実務的には、まずは相談窓口の設置と周知が最初にできることです。従業員に対して、ハラスメントとは何かを説明したうえで、もしもハラスメントを受けた場合は●●へ相談する、ということを周知してください。できれば労働条件通知書などに盛り込むことで、入社時から意識させると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
マタハラ・パタハラは加害者意識が他のハラスメントに比べて低いのが特徴です。誰もが加害者になる可能性がありますので、相談窓口と合わせて、どういう発言が問題になるのか、しっかりと周知を行ってください。これは会社の義務でもあります。

実務的な規定の作成や、実際に問題になった時の対応など、マタハラ・パタハラで困った時は、ぜひ社会保険労務士にご相談ください。

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