休憩時間は各自1時間自由に取って、それ実はダメ!意外な場面で必要になる「労使協定」とは。
労務


労使協定とは、労働者と使用者の間で交わす約束事のようなものです。労働基準法では、労働者の過半数が所属する労働組合、または労働者の過半数を代表する者と使用者の間で書面による協定を締結することを求める時があり、この協定を一般的に労使協定と呼びます。

たいていは労働者側に少し不利な内容になるため、使用者側からお願いをして、労働者側がそれを了承する、という意味合いのものになります。
よって、労使協定が結ばれていないということは、使用者が一方的に労働者に不利益なことを押し付けているように見えてしまうということです。ここでは、意外と知られていない労使協定が必要な場面について、解説をいたします。自社のこれらの場面における労使協定が存在するか、改めて確認をしてみてください。

この記事の目次

1. 給与から社員会費を控除する

毎月数百円~数千円の費用を「社員会費」という形で控除をして、親睦会などの費用にあてている会社は少なくないと思います。しかし、この社員会費、原則的に給与から控除できません。

給与から控除できる金額というのは、実は法定控除と呼ばれる項目(社会保険料や所得税など)に限られています。それ以外の項目を給与から控除する場合は、この「労使協定」を締結することが求められます。

他にも、寮や社宅の費用、財形貯蓄や貸付金の返済費用など、実質的に従業員の利益になっているようなケースでも同様に労使協定が必要です。ご自身の給与明細に法定控除以外の項目があった場合、労使協定が締結されているか、確認をしてみてください。

2. 入社1年未満の社員は育児休業対象者から除外する

妊娠や出産というのは喜ばしいことですが、入社してすぐに出産、育休を取られてしまうと、会社の経営者としては非常に困ってしまうということも事実です。そこで、一般的に入社1年未満の社員は育児休業や介護休業の対象外にする、という就業規則を持っている会社は多いようです。
しかし、入社間もない社員を育児休業から除外するには、就業規則に記載するだけではなく、労使協定の締結が必須になります。逆に言えば、労使協定がなければ、入社1ヶ月で育児休業を求められたときに、断ることはできないということです。

3.休憩は従業員の自由に取らせる

お昼に1時間、従業員が自由な時間に取っている、という会社も少なくないと思います。自分のペースでお昼休憩を取れる、12時頃をずらせば、レストランも空いているので、従業員にとっても良い制度のように聞こえます。

しかし、労働基準法の原則だと、休憩は一斉に取らせるということになっています。一斉に取った方が疲労の回復度合いが大きい、という解釈です。よって、休憩時間を各自の判断で取るような労働管理をしたい場合は、この労使協定が必要になります。

ただし、一斉休憩をすること自体が困難な業種もあります。以下の業種は一斉休憩の適用を労使協定無しに除外することができます。

1.運輸交通業
2.商業
3.金融・広告業
4.映画・演劇業
5.通信業
6.保健衛生業
7.接客娯楽業
8.現業以外の官公署の事業


まとめ

普通に様々な職場で見られて、労使協定が必要な場面を例示しました。 労使協定そのものは、少ないものだとA4の用紙1枚で完結する書類です。難しいものではありません。
このような場面がある会社では、労使協定の存在を確認して、無ければ速やかに締結するようにしてください。

労使協定が必要な場面は他にも様々にあります。ものによっては、労働基準監督署への提出が必要になることもあります。
ご自身の会社で労使協定が必要かどうかをチェックしたいということであれば、お気軽にお近くの社会保険労務士にご相談をいただきたく思います。

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