【働き方改革】医師に対する「時間外労働の上限規制」は「勤務間インターバル」の確保がカギに
労務


働き方改革の柱となる「時間外労働の上限規制」が、大企業では2019年4月から、中小企業では2020年4月から施行されます。ただし、現状、一部の事業や業務では、適用猶予・除外となることが明らかになっています。このたび、2023年度まで適用猶予となる医師に対する時間外労働の上限規制について、導入後の具体的な働き方のイメージが公開されましたのでご紹介することにしましょう。

この記事の目次

「時間外労働の上限規制」、適用猶予・除外の事業・業種は?

まずは、どんな事業・業務において「時間外労働の上限規制」の適用が猶予・除外されるのかを確認しておきましょう。
出典:内閣府男女共同参画局「女性活躍加速のための重点方針 2017」

自動車の運転業務、建設事業、医師については2024年3月までの適用猶予(2024年4月より施行)、新技術・新製品等の研究開発については対象を明確化し適用除外とされる旨が明らかになっています。

医師に対する残業規制、ポイントは「連続勤務時間制限」「勤務間インターバル導入」「代償休暇付与」

このうち、医師に対する時間外労働の上限規制について、2018年12月17日に行われた「医師の働き方改革に関する検討会」にて、厚生労働省による具体的な働き方のイメージが提案されました。

出典:厚生労働省「時間外労働規制のあり方について②(追加的健康確保措置について)」

原則としては、一般則(月45時間、年間360時間以内)を考慮した水準を設定しつつも、上乗せ健康確保措置(連続勤務時間制限・勤務間インターバルの確保・代償休暇)の導入を努力義務とする方向となります。ただし、医師不足の地域で医療に従事する医師、または集中的な技能向上に努めるべき若手医師等については、原則を上回る上限時間数を設定できるものとし、上乗せ健康確保措置の導入を義務とする方針となっています。

また、上乗せ健康確保措置に関する具体的な方向性として、下記の通り数字が示されました。

① 当直及び当直明けの日を除き、24時間の中で、通常の日勤(9時間程度を超える連続勤務)後の次の勤務までに9時間のインターバル(休息)を確保する

② 当直明けの日については、 28時間連続勤務制限を導入する

③ 当直明けの日の勤務間インターバルは「9時間×2日分で18時間」とする

今後はこれらの数字の妥当性、そして現場における対応について、検討を進めていくことになりそうです。

「時間外労働の上限規制」導入で、医師の働き方はどう変わる?

厚生労働省が公開した指針に基づく、医師の働き方イメージのBefore/Afterを見てみましょう。現状は、十分な睡眠の確保もままならず、さらに当直明けの日の勤務終了も定時をはるかに超過する状況が恒常的に生じています。 出典:厚生労働省「時間外労働規制のあり方について②(追加的健康確保措置について)」

ところが、9時間のインターバルの確保、連続勤務時間制限28時間、当直明けの18時間のインターバルの確保が実現することで、今よりも無理のない働き方が実現するイメージです。

「医師の働き方改革に関する検討会」では、こうした枠組みの実効性を確保するための施策について議論が進められ、2020年までには規制の具体的なあり方に関わる結論を得る予定となっています。

まとめ

労働時間の規制が特に困難といわれる事業や業務についても、働き方改革に伴い、今後確実に働き方が変化していくものと思われます。今後もその動向に注目が集まるところです。

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