知っているようで知らないフレックスタイム制。今年4月からのフレックスタイム制の法改正も含めて、きちんと把握しておきましょう!
労務


1月29日に、厚生労働省から、「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」が公表されました。
フレックスタイム制は、比較的導入が容易で、従業員にも喜ばれる制度であり、特にクリエイティブ職にある方にはぜひお勧めしたいところです。

フレックスタイム制について、イメージはつかめているけど、具体的にどんな制度かと問われると、答えられる方も少ないのではないでしょうか。今回は、知っているようで知らないフレックスタイム制について、今年4月1日からの法改正も含めて解説いたします。

この記事の目次

1. そもそもフレックスタイム制とは

フレックスタイム制を端的に言えば、「一定の期間で働く時間の総量を決めて、日々の出退勤時刻や働く時間の長さは従業員が決められる」制度です。
例えば、1ヶ月で働く時間を168時間と決めて、その中で「今日はたくさん働く、明日は短く働く」といったメリハリのついた働き方ができるということになります。

誤解されがちですが、フレックスタイム制だからといって勤怠管理が必要ないわけではありません。出勤時刻、退勤時刻を管理して、社員の労働時間を計算 したうえで、決められた総労働時間を超えていれば残業代を支給する必要があります。もちろん、健康管理という観点でも、労働時間の管理は必要になります。

フレックスタイム制にあっても、会社に出社が命じられている時間帯をコアタイムと言います。社員はコアタイムの開始時刻までに出社して、終了時刻以降に退社することになります。コアタイムの設定は会社が任意で決めることができます。

2. フレックスタイム制を導入するには

フレックスタイム制を導入するためには、就業規則への規定と、労使協定の締結が必要になります。ただし、労働基準監督署に届け出る必要はありません。
就業規則には「始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる」旨を定める必要があります。そのうえで、さらに労使協定には以下の内容を記載することが求められます。

①対象となる労働者の範囲
②清算期間
③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
④標準となる1日の労働時間
⑤コアタイム(※任意)
⑥フレキシブルタイム(※任意)


フレックスタイム制は社員にとって魅力的な制度である反面、会社としては、社員がいたりいなかったりすることになるので、そのコミュニケーションを取るタイミングに気を配ったり、勤怠管理の難易度が上がる仕組みとも言えます。

そのため、導入にあたっては、フレックスタイム制が必要な社員を吟味して、少数から始めて少しずつ広げていくなど、段取りを組んで進めていく必要があるでしょう。

3. 2019年4月1日からフレックスタイム制が変わります。

働き方改革法案がいよいよ今年4月1日から施行されます。その一環で、フレックスタイム制にも変更があります。これまで、1ヶ月以内と決められていたフレックスタイム制の清算期間が3ヶ月までと延長されました。

例えば、これまで1ヶ月間で労働時間が当初決めた総労働時間数より多かった場合に残業代を支給するしか方法がありませんでした。 それが3ヶ月間での清算が認められるようになったので、残業代を支給する代わりに、残り2ヶ月間で調整をして、3ヶ月の総労働時間で枠内に収まっていれば残業代を支給する必要はなくなります。

これは繁閑のある業種でもフレックス制度が入れやすくなったと言えるでしょう。ただし、3ヶ月清算の場合でも、週平均労働時間が40時間を超えれば残業代の対象になること変わりありません。また、1ヶ月の週平均労働時間が50時間を超える場合は、やはり残業扱いになる点もご注意ください。
清算期間が1ヶ月を超える場合は労使協定を労働基準監督署に届出をする必要があります。

まとめ

フレックスタイム制は、1ヶ月の決められた総労働時間内で出退勤時間を従業員が決められる制度です。この制度の導入によって、社員の自由な働き方を促進できて、モチベーションアップや定着率の改善が期待できるでしょう。

働き方改革によって、より広範囲の会社にも導入がしやすくなりましたので、これを機会にフレックスタイム制を自社で導入できないか、ぜひ検討していただきたいところです。
導入にあたってのご質問は、ぜひお気軽にお近くの社会保険労務士にご相談ください。

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