完全週休2日制・1ヵ月以内のフレックスタイム制の問題点に関わる改正
労務


2019年4月に施行される改正労働基準法には、「清算期間1ヵ月→3ヵ月」のフレックスタイム制の拡充が盛り込まれていることは既に皆さんご存知の通りです。
しかしながら、このたびの法改正では、フレックスタイム制導入企業がおさえるべき点がもうひとつあります。完全週休2日制の事業場における清算期間1ヵ月以内のフレックスタイム制について、問題点が解消される見込みです。

この記事の目次

完全週休2日制の事業場でのフレックスタイム制、従来の問題点

従来、完全週休2日制の事業場でフレックスタイム制を導入した場合には、1日8時間相当の労働であっても、曜日の巡りによって、清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠を超えてしまう場合がありました。
この場合、たとえ時間外労働をしていなくても時間外労働が発生し、割増賃金の支払い対象となります。
例えば、上記のカレンダーでは、「土日祝日休み」「標準となる1日の労働時間8時間」を想定すると、

●清算期間における総労働時間 = 8時間×23日 =184時間
●法定労働時間の総枠 = 40時間÷7×31日 = 177.1時間


となり、およそ7時間分の時間外労働に伴う割増賃金の支払いが生じてしまいます。

完全週休2日制の事業場でのフレックスタイム制、改正ポイント

上記の問題は、労働基準法改正によって下記の様に解消されることになりました。

●週の所定労働日数が5日(完全週休2日)の労働者が対象
●労使が書面で協定(労使協定)することによって、「清算期間内の所定労働日数×8時間」を労働時間の限度とすることが可能



上記の例では、「清算期間における総労働時間 = 8時間×23日 =184時間」がそのまま「法定労働時間の総枠」となり、曜日の巡りによって想定外の時間外労働が生じなくなります。この取扱いは、労使協定に盛り込むことで適用できます。

フレックスタイム制導入時の「労使協定」

2019年4月以降、「清算期間の拡充」や「特有の問題点が解消」が行われるフレックスタイム制は、現場においては一層使い勝手の良い制度として有効に活用できるはずです。
清算期間が1ヵ月を超えるフレックスタイム制を導入する際には、まず「労使協定」と「労使協定届(様式第3号の3)」を作成し、「労使協定届(様式第3号の3)」と「労使協定の写し」を所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

出典:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」

まとめ

法改正によって、ますます活用の幅が広がるフレックスタイム制。しかしながら、実際の導入・運用では検討すべきことや注意点がいくつもあります。 フレックスタイム制の導入は、社会保険労務士にご相談ください。

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