清算期間1ヵ月超のフレックスタイム制、複雑な時間外労働時間算定方法を解説
労務


すでにSHARES LABでもご紹介している通り、2019年4月の改正労働基準法施行に伴い、フレックスタイム制の清算期間の上限が3ヵ月に延長されます。制度改正を受け、これまで1ヵ月の法定労働時間の総枠と照らし合わせて算定していた時間外労働時間の考え方にも変更が生じます。 今号では、「清算期間1ヵ月超のフレックスタイム制の時間外労働時間の算定方法」を解説します。

この記事の目次

清算期間1ヵ月以下のフレックスタイム制における、時間外労働時間の考え方

清算期間1ヵ月のフレックスタイム制では、「清算期間における法定労働時間の総枠」を基準として時間外労働時間が算出されます。「清算期間における法定労働時間の総枠」とは、「1週間の法定労働時間(40時間※特例措置対象事業所では44時間)× 清算期間の暦日数/7日」の計算式によって求められ、「1ヵ月の法定労働時間の総枠」は下記の通りです。 ■ 清算期間の暦日数が ・28日の場合、160.0時間 ・29日の場合、165.7時間 ・30日の場合、171.4時間 ・31日の場合、177.1時間 清算期間における法定労働時間の総枠と実労働時間を照らし合わせ、過不足がある場合には下記の通り対応しています。

清算期間が1ヵ月を超えるフレックスタイム制の時間外労働時間はこう考える

フレックスタイム制の清算期間が1ヵ月を超える場合、下記の基準に従って時間外労働時間を算定します。 1.清算期間における総労働時間のうち、法定労働時間の総枠を超えた分 1~3ヵ月単位ごと法定労働時間の総枠は下記の通りです。 2.1ヵ月の労働時間が週平均50時間を超過した分 上記「1」「2」より、時間外労働が発生するパターンは下記の通りとなります。

清算期間3ヵ月のフレックスタイム制における時間外労働時間の算定

前項を踏まえ、清算期間3ヵ月のフレックスタイム制における時間外労働時間数の算定例を見てみましょう。 ■ 4月(実労働220時間)、5月(実労働180時間)、6月(実労働140時間)の例 つまり、 ・「週平均50時間となる時間数(歴日数30日の場合214.2時間)」を超えた4月の「5.8時間」 ・「法定労働時間の総枠を超える時間数(歴日数91日の場合520時間)」を超えた「14.2時間」 合計「20時間」が割増賃金支給対象の時間外労働時間となり、4月分の給与に5.8時間分、6月分の給与に14.2時間分の割増賃金を支払うことになります。
出典:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」

まとめ

清算期間1ヵ月超のフレックスタイム制を導入される際には、今号にてご紹介した時間外労働に関わる考え方を理解しておきましょう。ご覧いただいた様に取り扱いが複雑になりますので、フレックスタイム制の導入、給与計算には、社会保険労務士の活用をご検討いただけるとスムーズかと思います。

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