御社では「管理監督者の労働時間把握」をしていますか?
労務


働き方改革の推進を受け、2019年4月以降、すべての使用者に対し「労働時間の適正な把握」に向けた措置を講ずることが義務付けられます。 御社では現状、適切な対象に向けて、正しい方法で労働時間を把握しているでしょうか?
本号では、特にトラブルになりやすい「管理監督者」の取扱いについてご紹介することにしましょう。

この記事の目次

「管理監督者」に対する労働時間の把握が必要になります

法定労働時間や休日労働、割増賃金などの規制の適用を受けない管理監督者は、従来、労働時間を把握すべき対象から外れていました。しかしながら、労働者の健康管理の強化の観点からいえば、使用者は、「管理監督者を含む全ての労働者」に対する労働時間の把握に努めることが妥当であると言えます。
改正法の施行に伴い厚生労働省が公開したQ&Aにも、下記の通り明記されています。

Q4. 労働時間の状況を把握しなければならない労働者には、裁量労働制の適用者や管理監督者も含まれるか。

A4. 労働時間の状況の把握は、労働者の健康確保措置を適切に実施するためのものであり、その対象となる労働者は、「高度プロフェッショナル制度の適用者」を除き、
①研究開発業務従事者
②事業場外労働のみなし労働時間制の適用者
③裁量労働制の適用者
④管理監督者等
⑤派遣労働者
⑥短時間労働者
⑦有期契約労働者
を含めた全ての労働者である。



厚生労働省『「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について_通達_基発1228第16号(労働安全衛生法の解釈について)』

現状、管理監督者の労働時間を管理していない会社は要注意。直ちに、対応を改める必要があります。

「御社の管理職=管理監督者」ではないことがあります!

ところで、御社ではどんな方が「管理監督者」として認識されているでしょうか?
現場においては、「課長」もしくは「部長」以上の役職者を「管理監督者」として扱い、割増賃金支払の対象外としているケースを散見します。しかしながら、そもそもこうした役職の方を全員、「管理監督者」とみなすこと自体が誤りである可能性があります。実態として管理監督者の権限を持たない「名ばかり店長」問題が話題となり、彼らの労働者性が認められ、未払い残業の支払い命令が出た事例もありました。

労働基準法上の「管理監督者」とは、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」です。この基準と照らし合わせて、「御社の管理職=管理監督者」と言えるのかをご確認いただくと良いでしょう。

参照:厚生労働省「労働基準法における 管理監督者の範囲の適正化 のために」

管理監督者に対する「労働時間の把握」はガイドラインに準ずるべし

厚生労働省が公開したガイドラインには、「始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法」として下記の通り示されています。

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。

(ア) 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
(イ) タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。



参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

本ガイドラインが適用される対象労働者からは、「労働基準法第41条に定める者(つまり管理監督者)及びみなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)」が除外されています。

ただし、同時に「基準が適用されない労働者についても、健康確保を図る必要がありますので、使用者は過重な長時間労働を行わせないようにするなど、適正な労働時間管理を行う責務がある」旨も明記されています。
よって、管理監督者についても、通常の労働者と同様の方法で勤怠管理を行っておくことが望ましいと言えます。

まとめ

勤怠管理についてはクラウドの普及等もあり、現場においては比較的徹底されつつあるように感じます。しかしながら、規模の小さな会社を中心に、まだまだ手つかずといったケースも見られますので、ぜひこの機会に整備されることをお勧めします。ご相談はSHARES公認の社会保険労務士まで、お気軽にどうぞ!

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