2月までに都内で実施された「最低賃金の履行確保を重点とする監督指導」、御社は大丈夫?
労務

毎年10月に改定される最低賃金の履行について、東京都では都内事業所に対し、2月末まで集中的な監督指導が実施されました。月給制や固定残業代を導入している場合、意図せず最低賃金を下回っているケースが見受けられます。御社では、問題なく最低賃金に対応できているでしょうか?

この記事の目次

2018年10月1日より、東京都最低賃金は「985円(時間額)」に

出典:東京労働局「最低賃金周知用リーフレット」

すでにご存じの方がほとんどかと思いますが、現在、東京都の最低賃金は1時間あたり「985円」です。また、全国の最低賃金時間額は下記よりご確認いただけます。

参考:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
全国加重平均額は「874円」で、前年度比+24円となっています。

最低賃金の計算方法は「時給換算」です

労働者に支払う給与が最低賃金以上か以下かを判断するためには、「時間給」による確認をする必要があります。具体的には、給与体系ごとに下記の方法により判断します。

出典:厚生労働省「必ずチェック 最低賃金」

なお、月給制で基本給の他に下記の手当等がついている場合には、それらを除いた額を基準として最低賃金額と照らし合わせる必要があります。

(1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4)所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5)午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当


最低賃金の変動に伴い、固定残業代の設定の見直しは必須

固定残業代を採用している場合には、設定された時間外労働数に対し、支給金額が適切であるかを検討する必要があります。時間外労働に関わる時間単価は、原則「時給×1.25」で算出されなければなりません(深夜・休日労働を除く)。東京都の最低賃金額が985円ですから、時間外労働1時間当たりの賃金は「1231.25円」以上となるべきです。
固定残業代を導入するにあたり、就業規則や賃金規程で「1ヵ月あたり〇時間分の残業をしたものとして、固定残業代〇万円を支給する」等と定めていると思いますが、支給額を時間数で除して「最低賃金額×1.25」を上回っているかを確認しておく必要があります。

例外的な最低賃金の計算方法について

前項に挙げた固定残業代の他、最低賃金の検討において注意が必要な例をまとめておきます。

派遣労働で、派遣元と派遣先が都道府県をまたぐ場合

派遣先事業所に適用される最低賃金を上回る必要があります。(最低賃金法第13条)

従事する業務が特定(産業別)最低賃金の適用を受ける場合

東京都で設定されているすべての特定(産業別)最低賃金は、現在東京都最低賃金を下回っているため、特定(産業別)最低賃金対象事業場についても、東京都最低賃金が適用されます(最低賃金法第15条4項)

この他、都道府県をまたぐ労働者に適用する最低賃金については、最低賃金法第6条「労働者が二以上の最低賃金の適用を受ける場合は、これらにおいて定める最低賃金額のうち最高のものにより第四条の規定を適用する。」の考え方に則った運用を検討するのが適切です。

参考:電子政府の総合窓口e-Gov「最低賃金法」

まとめ

最低賃金は近年増額改定を繰り返しているため、確認してみたら「うっかり下回っていた!」というケースがあるかもしれません。また、本稿では東京都における監督指導についてご紹介しましたが、同様の取組みは全国各地で行われています。いずれの事業所でも、今一度、パート・アルバイトを含めた賃金の見直しをされておくことをお勧めします。

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