パートタイマ―の有給休暇付与について解説します!
労務


働き方改革の一環として、有給休暇の取得義務がこの4月から始まっています。対応に苦慮されている企業も多いのではないでしょうか。
ここでクローズアップされるのは、パートタイマーの有給付与です。まず前提として、パート、アルバイトなど呼称を問わず、雇入れ日から継続して勤務しており、全労働日の8割出勤をしていれば、有給休暇を取得する権利があります。ところが、付与の方法や付与日数についての管理が難しく、実態として付与できていない会社も多いのではないでしょうか。

ここでは、正社員ではない方の有給休暇の付与方法について、解説をいたします。

この記事の目次

1.有給休暇の付与日数は、年間の所定労働日数で決まる。

まず、パートタイマーの有給休暇の付与日数は「年間の所定労働日数」で決まります。 付与日数の表をご参照ください。

厚生労働省【リーフレットシリーズ労基法39条】 から抜粋

では、パートタイマーの年間の所定労働日数をどうやって決めるのでしょうか。まず、契約上で「週3日勤務」「火・木勤務」ということがはっきり決まっていれば、年間の所定労働日数はカレンダーを見ながら勤務日数を数えれば良いことになります。

そうなると、毎週、毎月のシフト表によって決められ、その日数が月によってバラつきがある場合はどうすれば良いでしょうか。この場合は、所定労働日数の算出が難しいので、実態として勤務した最初の6ヶ月の労働日数×2で算出することになります。その後は1年毎に実績としての労働日数から付与日を決定すれば良いでしょう。

いったんシフト表を決めてから有給休暇付与の希望を聞くというのも運用として難しいように思えます。シフト表を作成する際に、従業員と相談のうえ、有給付与日を先に決めてしまう方が管理者の負担も少なくなります。

このとき、有期契約社員で雇用契約を更新した場合でも、有給休暇で計算される勤続年数はリセットされずに通算されます。

なお、付与日数が10日以上の場合は、会社側に5日間の付与義務が発生しますので、ご注意ください。

2.契約が変わった場合は、付与基準日時点の契約で付与日数が決まる。

このようなパートタイマーは、その出勤日数が変わることがよくあります。これまで週4日勤務だったのが、3日勤務に変わる、というようなケースです。

この場合、付与基準日(有給休暇を付与する日)時点で有効な契約内容に基づいて、付与日数を決定します。例えば、週4日の契約で入社して、雇入れ日6ヶ月後、付与基準日直前で週3日の契約に変更された場合、与える付与日数は週3日勤務を前提として良い、ということになります。

週4日で頑張って働いたのに、週3日分しか与えないのはかわいそうではないか、と感じるかもしれません。考え方は、有給休暇は、労働者のリフレッシュのためのものであって、過去に働いたご褒美ではないということです。現在の契約内容にふさわしい有給休暇の日数を付与するとご理解ください。

3.有給付与日の給与は「通常賃金」か「平均賃金」が一般的

付与日数がわかったところで、その与えるべき賃金はどうすれば良いのでしょうか。まず、有給休暇の賃金については、次の3つの中から選択をすることが決められています。

1.所定労働時間勤務した際に支払われる通常の賃金
2.過去3ヶ月間の賃金総額÷その期間の総暦日数(いわゆる平均賃金)
3.標準報酬月額の1/30



実態としては、ほとんどの就業規則では、1を採用しています。つまり「いつも働いている分の1日分を支給する」ということです。出勤日は同じ時間働いているという場合はこの方法で構いません。
問題は出勤日によって働いている時間が違うケースです。この場合、有給付与した日によって、有給付与時に与える賃金が変わるので、算出が難しくなります。
そこで、方法としては、2の平均賃金を使う方法があります。計算がやや面倒ですが、一番公平性と納得感がある方法になります。

1を取るにしても2を取るにしても、就業規則等にその付与方法を明記しておきましょう。
ちなみに3の方法は労使協定が必要で、社会保険への加入が前提になるので、現場ではあまり見ることはできません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
パート・アルバイトにも有給休暇を付与する必要があります。適正な付与をすることが、企業のイメージアップとなり、定着率の改善も期待できます。これまでパート・アルバイトへの有給付与を積極的にしてこなかった会社でも、ぜひその取得率アップに取り組んでいただきたいところです。

ご質問があれば、お近くの労働基準監督署か、社会保険労務士にお問い合わせください。

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