2020年4月改正民法施行 未払賃金の消滅時効は「2年」⇒「5年」に
労務


2020年4月に施行が予定される改正民法については、すでに報道等でご存じの方も多いのではないでしょうか?その改正項目の中に、「賃金等請求権の消滅時効」に関わる記述があります。企業の労務管理に大きな影響を及ぼす事項ですので、今号にて概要をおさえておきましょう。

この記事の目次

未払賃金の消滅時効が「5年」に

未払賃金の消滅時効については、2019年4月25日に実施された第8回「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」にて、現在の労働基準法に定められる「2年」から「5年」に延長される方向性が示されました。

参考:厚生労働省「第8回賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」

具体的には、「債権者が権利を行使できることを知った時から5年(ただし、権利を行使することができる時から10年の間に限る)」となります。

未払賃金問題は他人事ではありません

2020年4月に消滅時効の延長が予定される未払賃金には、月給,週給,日給など定期的に支払われる賃金や諸手当の他、時間外・休日労働に対する割増賃金が含まれます。

御社では、現状、未払賃金が生じていないでしょうか?経営陣が「問題なく支払えている」と思っていても、

× 勤怠管理が適正に行われていない
× 残業代の単価が適切ではない
× 固定残業代の範囲を超えた残業が行われている
× 固定残業代の範囲の時間外労働時間数が明らかにされていない

などの問題を抱えている場合、未払いが生じている可能性があります。意図せぬところで、実は賃金の未払いが発生しているケースは多々あるのです。

未払賃金の消滅時効延長に備え、今、会社ができることは?

2020年4月に予定される未払賃金の消滅時効延長まで、すでに1年を切っています。
改正法対応として会社が取り組むべきことは、

✓ 賃金支払状況の確認

現状、賃金が適正に支払われているかを確認しておきましょう。まずは、労働時間を正しく把握できているか、勤怠管理方法についての見直しが不可欠です。さらに、各労働者についての時間単価(最低賃金を下回っていないか、残業代の単価が適切か等)、労働時間から算出される賃金、手当の支給状況等についても確認する必要があります。

✓ 未払賃金の清算

上記の確認により、未払賃金が発覚した場合には、できる限り清算しておきましょう。今後、消滅時効が2年から5年に延長されれば、請求額は一層膨れ上がってしまいます。なるべく早期に清算し、今後は未払いを出さないよう徹底します。

✓ 就業規則、賃金規程の見直し

現状、「各労働者の裁量で自由に残業や休日出勤を行わせている」「固定残業代を支給している」等の会社では、社内規程の見直しを行い、適切な形で規定出来ているかを確認する必要があります。
例えば、「残業は申請・承認制とする」「固定残業代として毎月〇時間分を支給する」等と正しく明記しておくことで労使トラブルや未払賃金の発生を回避することができます。

まとめ

社内規程の整備や清算を含めた未払賃金への対応には、労務管理の専門家である社会保険労務士の活用がお勧めです。今一度しっかり社内体制を整え、万全な形で2020年4月を迎えましょう!

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