「カスハラ」とは?パワハラ防止対策と併せて今後企業が対応すべき課題をチェック
労務


2019年6月6日の記事では、企業にパワハラ対策を義務付ける旨が法制化されたことをご紹介しました。政府が示す「職場のハラスメント防止対策」においては、近年深刻化する「カスハラ」についても指針に基づく対応を求める旨が明記されています。
今号では、「カスハラとは?」の解説に加え、今後企業で対応することとなる課題を考察することにしましょう。

参考:SHARES LAB「企業のパワハラ対策義務が法制化 大企業では2020年度、中小企業では2022年度から」

この記事の目次

「カスハラ」とは?

「カスハラ」とは、「カスタマーハラスメント」の略であり、主に顧客等からの著しい迷惑行為を指します。別の言葉では、「悪質クレーマー」と言い換えられることもあります。カスハラの典型としては、「顧客」という優位的地位を利用し、執拗なクレームや無理難題を突きつけるような例が挙げられます。また、発注元と発注先という取引関係の優位性を利用するケースも、カスハラに該当します。
カスハラは労働者に精神的苦痛を与え、場合によっては人権侵害にも値する悪質な行為であることから、企業においては今後、パワハラと併せて対応すべき課題として取り扱われることになります。

参考:厚生労働省「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について(報告書案)_p.6」

「カスハラ」対応として企業が講じるべきこととは?

カスハラへの具体的な対応は、パワハラ対策同様、政府による指針の中で示されることになります。現時点で判明している対応としては、

✓ 悪質クレームは「職場におけるパワハラに値するもの」と認定して対処すること
✓ カスハラ被害に遭った際に利用できる相談窓口を設置すること
✓ カスハラ被害に遭った本人の希望に応じて配置転換ができるようにすること
✓ 取引関係にある企業間においては、相手企業にカスハラ防止の申し入れをすること
✓ カスハラを行った企業側に対応改善を促すこと


等が盛り込まれる見込みです。また、カスハラ認定の課題である「どこまでが相当な範囲のクレームで、どこからがそれを超えた嫌がらせなのか」についても、何らかの基準が示されることになりそうです。

接客業に従事する者の73.9%が「カスハラ遭遇経験あり」

日本においては古くから「お客様は神様」「顧客第一主義」の考え方が深く根付いていることもあってか、「顧客」という優位性を利用したハラスメントは後を絶ちません。
全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟が2017年6月1日~7月14日に行った調査によると、販売・レジ業務・クレーム対応等の接客業に従事する労働者の「73.9%」が「カスハラに遭遇したことがある」と回答しています。

また、遭遇したカスハラの内容としては、主に「暴言(27.5%)」、「何回も同じ内容を繰り返すクレーム(16.3%)」、「権威的(説教)態度(15.2%)」、「威嚇・脅迫(14.8%)」、「長時間拘束(11.1%)」となっています。

カスハラから身を守るために求めることとして、現場は「消費者への啓蒙活動」「企業におけるマニュアル整備」「企業のクレーム対策教育」等、実に全体の6割が「会社としての取り組みの必要性」を挙げていることが分かります。

出典:全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟「速報版 悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果 2017年10月」

まとめ

御社の従業員の中にも、カスハラ被害に悩む労働者が存在する可能性は高いのではないでしょうか?まずは現状を把握し、今後示される指針を元に、企業としての対応策の検討に目を向けていく必要がありそうです。

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