最低賃金がいよいよ1,000円超え!一見問題ないけど、実は最低賃金を下回ってしまうケースを解説。
労務


毎年恒例となりますが、今年の10分月給与より地域別の最低賃金が引き上げられる予定です。 今年は、一部地域で時給1,000円を超える見込みです。何となく切りが良いという理由で「時給1,000円」のアルバイトを雇っているような会社では、すべからく時給の引き上げをしなければいけません。

ところで、「うちは最低賃金などクリアしているから関係ない」と感じている会社も多いのではないでしょうか。一見、最低賃金を超えている場合でも、実は問題のある賃金を支払っているケースというのは現場では目にします。

ここでは、最低賃金についての基礎知識をお伝えするとともに、一見問題ないけど実は危ないケースについて解説をいたします。

この記事の目次

1.いよいよ10月から、東京及び神奈川で最低賃金1,000円を超える見込み。

8月に厚生労働省から発表された「令和元年度地域別最低賃金額改定の目安について」から換算すると、今年10月からの最低賃金は東京で1,013円、神奈川で1,011円となります。1,000円を超えることは、ほぼ間違いないとみて良いでしょう。

月給の場合は月給を所定労働時間で割って最低賃金と比較します。この時、月給とは「基本給」と「諸手当」の合計です。この諸手当に「所定時間外の手当」「精皆勤手当」「通勤手当」「家族手当」は含みません。

10月給与とは、「10月分」を指すので、翌月支払いの会社では、11月支払いの10月分給与から適用となります。

また、この記事では地域別最低賃金を取り上げておりますが、業種別の最低賃金(特定最低賃金)がある業種では、この2つを比べて高い方を最低賃金として取り扱う必要があります。

2.対象者は「ほぼ全員」。高校生も試用期間も関係なし。

都道府県労働局長の許可を受けることを条件に最低賃金の減額を受けられるケースもありますが、一般的にこの最低賃金は全員に適用されるという理解で良いでしょう。

つまり、高校生や試用期間だからと言って、この最低賃金を逃れられるわけではありません。 昔の感覚で言えば、「高校生に時給1,000円なんて」というところもありますが、高校生だろうと従わなければいけないラインであることをご理解ください。

また、現場の契約書を見ると、試用期間であるという理由で、賃金を最低賃金以下にしているケースが見られます。試用期間と本採用で賃金を変えている会社は注意をしてください。

3.固定残業制は最低賃金が見えにくいので要注意!

時給で支給をしている会社だと最低賃金との比較がしやすいのですが、月給の場合は時給換算をしないと最低賃金をクリアしているかどうかがわかりません。特に気を付けなければいけないのは固定残業制にしている会社です。このような会社は一見高い給与を支給しているので、最低賃金とは無縁に見えてしまうからです。

例を挙げます。東京の会社で所定労働時間173時間、230,000円の月給で「固定残業45時間分を含む」と規定していたとします。
この場合、まず月給を基本給部分と固定残業代に分ける必要があります。
基本給が173,566円だと、残業代が173,566÷173時間×割増率1.25×45時間の固定残業=56,434円となり、基本給と残業代の合計が230,000円となります。

最低賃金はこの基本給部分だけで判断をしなければいけません。
173,566円÷173時間=1,003円が時給となりますので、このままでは今年の新しい最低賃金を割ってしまうことになってしまうのです。

そもそも、固定残業制を取る場合は「固定残業時間と残業代にあたる金額」を明記しておく必要があります。固定残業時間を取る会社の場合、これを機会に基本給分と固定残業分の金額を明確にしたうえで、基本給分のみで最低賃金を割っていないか、今一度ご確認ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
最低賃金を割っているということは、それだけで、いわゆるブラック企業のレッテルを貼られかねません。一度ブラックの認定を受けてしまうと、そこから信用を取り戻すことは困難なことになります。

知らないうちに法律のラインを下回ることのないように、今後も最低賃金の情報に注意をしていただきたいところです。ご質問はお近くの労働基準監督署や社会保険労務士にお問い合わせください。

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