消費増税に伴う運賃改定 通勤手当の見直しはお済みですか?
労務


2019年10月1日より、一部の品目を除き消費税が現在の8%から10%に引き上げられることを受け、公共交通機関の運賃改定が予定されています。これに伴い、現在、従業員に支給している通勤手当を変更しなければならない会社も出てくるものと見込まれます。
いよいよ来月に控えた運賃改定に向け、通勤手当の見直しはお済みでしょうか?

この記事の目次


通勤手当に関わる社内規程を確認しましょう

通勤手当見直しの要否を判断するために、まずは社内規程の見直しを行いましょう。下記は厚生労働省が公表するモデル就業規則に盛り込まれた文面ですが、現状、このような規定をしている会社も少なくないのではないでしょうか。

(通勤手当)
第●条
通勤手当は、月額●● 円までの範囲内において、通勤に要する実費に相当する額を支給する。


出典:厚生労働省「モデル就業規則」

月額の上限設定にもよりますが、実質「定期代の実費相当を支払っている」という場合には、2019年10月1日以降購入分から増額となる可能性が高いと言えます。これに対応するために、改めて従業員に改定後の通勤費を申告させることをお勧めします。

通勤手当の非課税限度額は月額15万円 ただし支給は必須ではない

さて、前項では「月額●●円」の上限を設けた通勤手当の規定例を挙げています。通勤手当に上限を設けることについて、しばしば「問題はないのか」といった議論が起こりますが、この点については会社独自の設定が可能となっています。

現状、多くの会社で毎月の賃金と共に支給されている通勤手当ですが、そもそも必ず支給しなければならないものではなく、「支給しない」との規定は労基法に反する定めではありません。会社が独自に設定する手当ですから、「1万5000円」や「3万円」等の上限を設けることができます。

ただし、通勤手当を支給する場合の非課税限度額については定めがあります。2016年度の税制改正により、2016年1月1日以後に支払われるべき通勤手当については下記の通り定められています。通勤用定期券に関わる非課税限度額は15万円であることが分かります。

出典:国税庁「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」

通勤費改定は2019年10月1日以降購入分から

記事中で既に何度も触れていますが、公共交通機関の運賃改定は、2019年10月1日以降分より行われます。これはつまり、2019年9月末日以前の購入分については旧運賃で良いことになりますから、定期券等は増税前にまとまった期間分を購入してもらう様アナウンスすることで、通勤手当にかかるコスト削減につなげることが可能となります。

例えば、4月1日から6ヵ月定期券を購入していれば、ちょうど9月末日で有効期間が切れます。この場合、9月中に更新してもらえれば、会社は、向こう6ヵ月分は旧運賃の支払いで良いことになる、というわけです。

まとめ

いよいよ来月に迫った消費増税対応の一環として、見直しておくべき「通勤手当」。9月中の定期券購入促進、通勤費変更申請の徹底等、実務上必要な業務に忘れずに取り組みましょう。

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