2019年3月卒の新卒内定取り消しは23社35人 原則、内定取り消しはできません!
労務


10月を迎え、来春入社予定者の内定式を行った企業も多いのではないでしょうか?半年後の入社に学生たちが胸を膨らませる一方で、これからの時期に例年問題となるのが企業における「内定取り消し」です。
先月末には、2019年3月卒の新卒者に関わる全国の内定取り消し状況が公表されています。さっそく概要を確認するとともに、内定取り消し防止に向けた対策に目を向けてまいりましょう。

この記事の目次

23事業所で35人が内定取消し、うち一社の事業所名公表

2019年3月卒の新卒内定取り消し、入社時期の延期について、厚生労働省は下記の取りまとめを公表しました。

採用内定取消し状況

*各数値は令和元年8月末現在のもの
平成 30 年度に内定取消しとなった学生・生徒数 35 人(23 事業所)

[参考]平成 29 年度 73 人(22 事業所)


入職時期繰下げ状況

平成 30 年度新規学卒者には該当なし

また、このたび内定取り消しを行った事業所のうち都内にある一社の社名が公表されました。厚生労働省は職業安定法施行規則の定めにより、事業主等の通知の内容が下記のいずれかに該当する場合に、学生・生徒等の適切な職業選択に役立つよう、その通知の内容を公表することができます。


出典:厚生労働省「平成 30 年度新卒者内定取消し状況を公表します」

原則禁止の「内定取り消し」 どんな場合に認められる?

「新規学校卒業者の採用に関する指針」には、「事業主は採用内を定取り消さないものとする」と明記されています。しかしながら、業績悪化等によるやむを得ない事情がある場合に限り、所定の手続きを経ることで認められる場合があります。その際に検討されるのが、下記に挙げる「整理解雇の4要件」です。

・ 人員整理の必要性
・ 解雇回避努力義務の履行
・ 被解雇者選定の合理性
・ 手続の妥当性


また、内定取り消しを検討すべき場合には予めハローワークに通知し、その後の指導に従い対応することになります。併せて、内定取り消し対象者の就職先確保に最大限の努力を行うこと、補償などの要求に誠意をもって対応することが必要です。

参考:厚生労働省「新規学校卒業者の採用に関する指針」

内定取り消し防止のため、戦略的な採用活動を

学生は、採用内定時点で他社への応募やすでに得ていた他社の内定を辞退し、他社への就職の機会を放棄することになります。よって、企業は、自社の一方的な都合による内定取り消しが生じない様、計画的に採用活動を行わなければなりません。
採用計画の立案や募集の際に留意すべきポイントを、前出の「新規学校卒業者の採用に関する指針」より抜粋します。


法的には、採用内定を以て「始期付解約権留保付労働契約」の成立とみなされます。つまり、内定就業始期まで一定の期間が空くこと、内定者が学校を卒業できない等やむを得ない事情がある場合に内定取り消しの可能性があること等の条件は付くものの、労使間でれっきとした労働契約が成立するということです。
企業においては、「大目に採用しておいて、いざという時は内定者の採用を見送れば良い」と安易に考えることなく、戦略的な採用計画を検討する必要があります。

ここまでは企業側の内定取り消しについて解説してまいりましたが、一方で、内定者から入社辞退の連絡を受けるケースもあると思います。この点、「内定辞退に対して、ペナルティを科すことはできないのか」とご相談いただくこともありますが、結論から言えばできません。マイナビの調査によると、2018年9月~10月の調査時点において内定辞退率が3割以上あった企業が全体の「56%」とのことで、内定辞退率の高さが伺えます。


出典:株式会社マイナビ「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」

苦労して採用に至った内定者の心を掴んでおくためにも、企業側には内定者との継続的なコミュニケーションに努める姿勢が求められます。

まとめ

少子高齢化の影響により、今後一層厳しさを増すものと見込まれる企業における採用活動。そんな中、縁あって内定に至った人材に対しては、内定取り消しも内定辞退も極力避けたいところです。現状、戦略的な採用活動ができているでしょうか?
御社の魅力は応募者にしっかり伝わっているでしょうか?
企業の採用に関わるご相談は、人事の専門家である社会保険労務士までお気軽にお寄せください!

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