個人事業主だって入りたい!個人事業主の労働保険・社会保険加入について
労務


個人事業を営んでいる方が人を雇う時に、労働保険・社会保険に加入すべきか否かで悩んでいるというご相談を受けることがあります。一般的な労働保険・社会保険の加入についての解説を読むと、前提が法人であるケースが多く、個人事業主の場合の情報がわかりにくい、というところがあるかもしれません。

そこで、今回は個人事業主の方に対象を絞って、労働保険・社会保険の加入について解説をさせていただきます。

この記事の目次

1.労災・雇用保険は一人でも対象者がいるなら必須。迷わず加入を。

まず、労災保険です。こちらはわかりやすく、アルバイト一人でも労働者を雇うのであれば、加入は必須です。速やかに保険関係成立届を管轄の労働基準監督署に提出してください。この時に、事業主の住民票の写しが必要となります。

次に雇用保険ですが、こちらも週20時間以上かつ31日以上働く見込みであれば、原則は加入です。雇用保険適用事業所設置届と対象者の雇用保険被保険者資格取得届を管轄のハローワークに提出してください。なお事業所印影欄は、個人事業主の場合、そもそも印が無いケースもあるので、その場合は押印しなくても構いません。

添付書類としては以下の通りです。

・労災の保険関係成立届の控え
・事業主の住民票原本(世帯全員がわかるもの)
・事業許可証など事業の実態、住所がわかるもの
・社員毎の賃金台帳
・社員毎の出勤簿
・労働者名簿
・社員毎の雇用契約書・労働条件通知書など


ただし、雇用保険事業所開設の添付書類は、各会社の状況によって求められるものが変わるところですので、事前にハローワークへ自分の事業の状況をご説明のうえで、揃えるべき添付書類を確認してから、届を提出することをお勧めします。

なお、同居の親族や、昼間学生は対象から外れます。同様に、労働者性の低い共同経営者も対象外です。要は「解雇などのリスクが低い、解雇されても生活に響きにくい」というのが考え方になります。4ヶ月以内の季節的業務に従事する方も対象外です。

また、労働保険料概算保険料申告書を後日(労災保険関係が成立した翌日から50日以内)で結構ですので、提出をすることになります。
ちなみに、農林水産業で対象者が5名未満の場合などは暫定任意適用と呼び、労災・雇用保険の対象外となります

2.健康保険、厚生年金保険は5名以上の対象者で必須。ただし5名未満でも加入は可能。

健康保険・厚生年金保険は少しハードルが上がります。対象者5名以上で加入が必須となり、5名未満は任意で入ることになります。加入の場合は健康保険厚生年金保険新規適用届と加入者の健康保険厚生年金被保険者資格取得届を管轄の年金事務所に提出してください。

個人事業主は対象者に入りません。加入者はあくまで労働者性で判断します。つまり、法人と同様、一般的な社員の3/4の労働時間があれば、社会保険の加入対象となります。

添付書類としては以下の通りです。

・事業主の住民票(世帯全員がわかるもの)原本
・賃貸契約書などその住所で事業所の所在地があることが証明できるもの(住民票と所在地の住所が異なる場合のみ)



また、任意適用(加入者が5名未満)の場合は以下の書類が追加となります。

健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書
・任意適用同意書
・事業主の過去1年の公租公課を証明できるもの(所得税、事業税、住民税、国民健康保険料、国民年金)※実際に支払っている分だけで結構です。



なお、5名以上であっても、農業、漁業、一部のサービス業(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業等)は任意適用事業所となります。詳細は管轄の年金事務所にお問い合わせください。

3.個人事業主は社会保険に加入すべきか?

労働保険は個人事業主といえど、ほぼ強制加入です。では、社会保険は個人事業主が加入すべきかどうか、どのように判断したら良いでしょうか。

今後の採用活動方針から決めてはいかがでしょうか。今後人を採用する計画があるなら、今のうちに加入しておくことをお勧めします。求職者にとって、その応募しようとしている会社が社会保険に加入しているか否かは、一つのチェックポイントになります。その時に社保非加入というのは大きなハンディになりかねません。

一方で臨時的に雇っているが、その事業を大きくする気が無い方もいらっしゃるでしょう。その場合は、その雇われている方の希望で決定しても良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
個人事業といえど、雇われている方にとっては、労働保険・社会保険に自分が加入しているか、非常に大事なことになります。 労働保険には確実に加入したうえで、社会保険については加入するにせよしないにせよ、従業員の方にきちんと説明を行ってください。
今回は原則的な話をしておりますが、各事業の状況によって提出書類や添付書類は変わってきます。実際に提出する前に、各役所や社会保険労務士に確認を取ることをお勧めいたします。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。