男性の育休取得への意識は労使間で着実に高まりつつあるものの、2018年度の取得率は6.16%と、「2020年度に13%の達成」を目指す政府目標とは依然として程遠い現実にあります。社会的には男性の育休取得を義務化する流れも生じていますが、一方、現場では「制度自体が形骸化している」「数日間の取得のみにとどまり、本当の意味での両立支援につながらない」等の問題が生じることもしばしば。
「イクメン企業アワード受賞企業の取組事例集」から、本当の意味での両立支援を目指す上で、会社としてどのような取り組みができ得るのかに目を向けましょう。
必要なのは、男性の育休取得にまつわる不安の払拭すること
男性の育休取得促進に向けた取り組みとして、各企業で実施された施策が毎年「イクメン企業アワード受賞企業の取組事例集」にまとめられています。2018年度版は下記よりダウンロード可能です。参考: 厚生労働省「イクメン企業アワード2018 受賞企業の取組事例集」
取組事例集には、「育児休業中の収入シミュレーション」や「円滑な業務引継ぎのための面談実施」「長期的なキャリア形成支援」といった、育児休業取得にまつわる男性社員の懸念事項にピンポイントに対応する取り組みがしっかりと網羅されている印象を受けます。そして、いずれの企業においても経営陣・管理職がまず意識改革を行うことが盛り込まれています。
特別な施策だけではダメ!男性の育休取得促進は「社内の体質改善」から
働き盛りの男性社員が職場でも家庭でも活躍するためには、「両立支援を可能とする組織作り」が不可欠です。そのためには、男性の育児休業取得促進に向けて何か特別な施策を講じなければならないわけではなく、必要な時に社員の休業に柔軟に対応できるような体制を普段から整えておく姿勢が求められます。労働時間と業務量の適正化、業務の標準化(脱属人化)、効率化など、男性の育休取得奨励のためだけにとどまらない、総合的な働き方改革につながるキーワードを意識する必要があります。
助成金を活用した男性の育休取得促進
政府では、男性の育休取得を促進するために「両立支援等助成金」を設け、中小企業支援を行っています。助成金活用は、中小企業の働き方改革推進を考える上で欠かすことのできない要素と言えますから、必要な取り組みについて適用できるものに積極的に目を向けると良いでしょう。出典:厚生労働省「イクメン企業アワード2018 受賞企業の取組事例集」