中小企業のおける働き方改革のヒントに!労働時間制を活用した「時間外労働の上限規制」への対応策
労務


中小企業においては2020年から適用となる時間外労働の上限規制への対応に向けて、準備は進められているでしょうか?慢性的な労働時間の長時間化が問題視される現場において、限られた労働力で効率良く業務遂行し、時間外労働の削減を実現することは容易なことではありません。
福岡労働局からは、会社の実情に合わせ、変形労働時間制を活用した労働時間の短縮を図るための方法を提案する資料を公開しています。御社の働き方改革の一助に、お役立てください。

参考:福岡労働局「時間外労働の上限規制 “お悩み解決” ハンドブック」

この記事の目次

「時間外労働の上限規制」対応に労働時間制の見直しを

さて、ひと口に「労働時間制」といっても、「週40時間、1日8時間」を原則とする通常の労働時間制の他、1週間、1ヵ月、1年を単位とした変形労働時間制、フレックスタイム制等、その種類は実に様々です。
福岡労働局より公開された「“お悩み解決” ハンドブック」では、下記のフローチャートにて、御社に合った労働時間制の検討ができるようになっています。


新たな労働時間制度の導入は、労働時間をしっかり確保したまま、「時間外労働の上限規制」に対応するためのポイントとなります。御社に適すると思われる労働時間制をフローチャートから絞り込み、制度詳細を確認の上、導入の可能性を見極めましょう。

労働時間制の導入は、制度を正しく理解した上で

新たな労働時間制を導入するためには、その制度の内容、必要な準備について正しく理解することが肝心です。制度概要のみのごく浅い知識のみで適用すると、制度本来の趣旨とはずれた運用、労務管理の違法状態を引き起こす原因となる可能性があるため注意が必要です。

労働時間制にまつわるよくある誤解として、例えば下記のポイントが挙げられます。

・一週間単位の変形労働時間制は、対象を「30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業」に限定している

・事業場外みなし労働時間制は、「労働者が事業場外で労働し、労働時間の算定が困難な場合」に適用できる制度であり、単に「事業場外で労働している」のみの要件では導入できない(随時会社の指示を受けており、労働者側からも報告を行うような業務遂行では要件を満たさない)

・フレックスタイム制では、総所定労働時間を超えて働いた場合に、その時間外労働時間数を翌月の総所定労働時間から差し引くことはできない


不十分な理解のままの労働時間制導入には、未払い残業代や法定の上限を超える時間外労働の発生といったリスクが伴います。制度の運用ルールを正しく把握する、社内で十分に検討する、必要に応じて社労士などの専門家に相談する等、慎重な対応が求められます。

親事業者からの「しわ寄せ問題」は、労働局や労基署に相談を

中小企業の労働時間長時間化への対策を検討する上では、自社における企業努力のみならず、取引先との間で常態化する「不合理な商習慣の見直し」も重要な要素となります。短納期発注や急な仕様変更の他、ここ数年は親会社における働き方改革のしわ寄せが下請け事業者に回る事例も増えているようです。

下請け企業等に生じるしわ寄せ問題の増加を受け、厚生労働省・公正取引委員会・中小企業庁が中心となり、「しわ寄せ防止総合対策」に乗り出しています。取引上の問題によって生じる労働時間の長時間化は、労働局や労基署に相談の上、個別の事例に適した解決策に目を向けることをお勧めします。

まとめ

中小企業における時間外労働の上限規制の適用まで、いよいよあとわずかとなりました。労働時間の削減策には様々な手法が想定され、労働時間制の見直しやしわ寄せ問題への対応もその一環です。御社の課題を的確に見極め、効果的な対策を検討していきましょう。

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