【働き方改革】「違法な長時間労働」は減少傾向も「月200時間超」割合は微増
労務


働き方改革を契機に、各企業においては目下、従来の働き方の見直しが行われているところかと思います。とりわけ「長時間労働の是正」は、いよいよ2020年4月より企業規模を問わずすべての会社で適用となる「時間外労働の上限規制」への対応として注目されるテーマです。
現場における労働時間の状況は、どのように変化しているのでしょうか?東京労働局管内における、2018年度監督指導結果から、その動向を把握しましょう。

この記事の目次

都内3,155事業場のうち、1,215事業場(38.5%)で違法な時間外労働

全国の労働基準監督署では、管轄内の事業所を対象に、定期に監督指導を実施しています。
指導対象は、

時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場
長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業所

から抽出され、東京労働局管内では2018年度は3,155事業場に対し実施されました。

結果概要は下記の通りです。調査対象の69.2%で、何らかの労働基準関係法令違反ありとの実情が浮き彫りとなりました。

なお、ここでご紹介する2018年度監督指導については、2019年4月1日の改正労働基準法等の施行前の法令に基づく結果となっております。

労働基準関係法違反の割合は全体的に減少も、未だ減らぬ「時間外・休日労働月200時間超」

ここでご紹介した監督指導は、前述の通り、毎年行われているものです。2018年度の調査結果を前年度と比較すると、各種法令違反は少しずつ減少していることが分かり、現場における労働問題への意識の高まりを見てとることができます。

しかしながら、ここで注意すべきは、「時間外・休日労働月200時間超」「過重労働による健康障害防止措置が未実施」の項目で、わずかではありますが違反割合が高くなっている点です。

長時間労働については、他の時間数区分の割合の推移を見ても明らかな通り、時間数が多くなればなるほど、是正が難しくなる(割合の減少が少ない)傾向にあるようです。今後は「超長時間労働が恒常的となっている現場への対応」、そして「適正な健康障害防止措置の実施徹底」の2点が課題となります。

以上、参考・出典:厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する平成30年度の監督指導結果を公表します」

長時間労働取り締まり強化!「「過労死等ゼロ」緊急対策」を確認

未だ後を絶たない企業における長時間労働問題への対応として、政府は2016年12月に「過労死等ゼロ」緊急対策を公表し、長時間労働是正や過労死等防止に向けた取り組み強化に乗り出しています。

◎ 違法な長時間労働の是正
◎ メンタルヘルス・パワハラ防止への対策
◎ 過労死等ゼロへの取り組み


を柱とし、下記の通り、都道府県労働局および労働基準監督署による具体的な施策が明示されています。

法令違反による企業名公表制度については、その要件が大幅に強化されました。公表による社会的ダメージは、決して小さなものではありません。もちろん、「公表されないために取り組む」というスタンスは本来の趣旨とかけ離れるものですが、政府の方針として下記のポイントを把握されておくと良いでしょう。
出典:厚生労働省「「過労死等ゼロ」緊急対策の取りまとめについて」

まとめ

中小企業においてはいよいよ来春に控えた時間外労働の上限規制適用を目前に、長時間労働是正のための取り組みは進んでいるでしょうか?

ひと口に「時間外・休日労働を削減する」といっても、とるべき手法は各社の実情に応じて異なります。課題抽出から解決に向けた提案、実際の取り組み実施まで、労務管理の専門家である社会保険労務士をご活用ください!

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