パワハラの相談窓口担当者になったら注意しておきたいこと。
労務


前回は、パワハラ時代の叱り方について解説をしました。前回は上司の立場でしたが、今度は相談を受ける窓口担当者になった場合について解説をします。
2020年にパワハラの防止措置が会社で義務化される予定です。突然「パワハラの相談窓口になってほしい」と言われても戸惑わないように、今からしっかりと対応の基本を押さえておきましょう。

この記事の目次

1.初動が肝心!先入観で結論を出さないこと。

パワハラの相談窓口は、問題解決の入口です。ここで対応を間違うと、どんなに頑張ってもゴールにはたどりつけません。

ポイントは先入観で判断しないことです。相談内容によっては、「それはただの注意指導ではないか」と思うこともありますが、その場でパワハラか否かを結論づけるべきではありません。

訴訟まで発展するようなケースでは、初動の対応のまずさが問題の原因となっているケースが多いのも事実です。また、パワハラを入口で否定されたことにより、相談者が行き場を失い、退職やうつ病といったリスクも発生します。

相談者の話は最後まで聞き、どのような解決を望んでいるのかを把握してください。そして、その場で結論は出さずに事実関係の把握に努めることだけを伝えてください。傾聴の心が相談窓口担当者には求められるのです。

2.問題のもみ消し、相談者を責める発言は控える。

一番気をつけなければいけないのは、問題をもみ消そうとしたり、相談者を責めたりするような発言です。前述の通り、パワハラではない、という感想を持ってしまうと、つい「それは君が悪いのではないか」「もっと君が頑張らなくてはいけないのではないか」と意見を言ってしまいそうになります。

今は気軽に録音ができる時代です。相談内容は相談者に録音されていると思ってください。

そして、いざトラブルで録音内容が「会社がパワハラをもみ消そうとしている」証拠として提出されてしまえば、会社は不利な立場に立たされることになります。

そのためには、普段から公正中立な立場で物事を見るクセをつけておくべきです。パワハラの相談窓口担当者になるということは、先入観に惑わされずに公正な判断をする訓練をしているとも言えるでしょう。

3.評価ではなく、事実を押さえる。結論に不満でも毅然とした対応を。

事実関係の把握に努めるのが次の段階です。初動と同様に、先入観を捨てて、加害者と言われている方にヒアリングを行ってください。状況によっては、第三者や目撃者にも同様にヒアリングを行います。時間がかかるようであれば、相談者に中間報告を行います。

ヒアリングは評価ではなく事実を聞きます。つまり、パワハラをしたかどうかではなく、相談者が相談している事案の5W1Hです。具体的な内容、時期、場所、経緯などです。ヒアリング内容は記録を取ってください。

また、メールやLINEといった残る証拠もチェックします。

事実関係を揃えたうえで、社内でパワハラかどうかを判断します。最終的にその処分を決めるのは会社になります。パワハラにあたると認定された場合は、社内で懲戒や配置転換などの処分を検討します。また、パワハラと言えなくても、加害者とされる側に言動に注意する旨は伝えておいた方が良いです。

パワハラ認定されないとすると、相談者から不満が出る可能性があります。この場合「あなたの言っていることが嘘だと言っているわけではない」として、「事実調査の結果、申出についてパワハラがあったと確認できなかった」と説明してください。事実関係をきちんと把握したうえで、毅然と対応することが肝心です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
パワハラの相談窓口担当者としては、最初の相談は結論を出さず、傾聴を心がけてください。相手を責める発言は控え、事実関係の収集に努めてください。そのうえで会社が処分を決定してください。それがパワハラでもそうでなくても、結論を出した以上は毅然と対応することが求められます。

来年の法制化で、相談者側の相談への心理的ハードルが下がることが予想されます。パワハラと言えるか微妙なラインの相談が増えると思われますので、担当者となった以上はぜひ心して取り組んでいただきたいです。

判断に迷ったら、ぜひ社会保険労務士にご相談ください。

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