「業務改善助成金」が拡充されて使いやすくなりました 【2020年1月6日受付開始】
労務


働き方改革に寄与する「業務改善助成金」に新たなコースが創設され、より一層幅広い対象に行き届く助成金制度となりました。引き上げが続く最低賃金への対応として、必要な業務改善や生産性向上にお役立ていただける本助成制度は、これからの中小企業経営を考える上では前向きに活用を検討すべきと言えます。さっそく概要を確認しましょう。

この記事の目次

「業務改善助成金」とは?2020年から何が変わる?

業務改善助成金とは、設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)等を行い、生産性を向上させ、その結果、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業等に対し、かかった費用の一部を助成する制度のことです。

引き上げ額や助成対象や助成率、上限については、コースや対象労働者数によって異なります。 これまでは、

■30円コース(800円未満)
・助成対象事業場:事業場内最低賃金800円未満の事業場、かつ事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内、及び事業場規模30人以下の事業場
・助成率:4/5(生産性要件を満たした場合9/10
・助成上限額:引き上げる労働者数に応じ、50~100万円

■30円コース
・助成対象事業場:事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内、及び事業場規模30人以下の事業場
・助成率:3/4(生産性要件を満たした場合4/5)
・助成上限額:引き上げる労働者数に応じ、50~100万円

の2コースが設けられていました。

参考:厚生労働省「平成31年度業務改善助成金のご案内」

この点、2020年1月6日よりコースが拡充され、下記の通り内容が大幅に変わります。新たなコースが設けられたほか、既存のコースについても助成対象事業場要件が見直されています。

また、注釈にもありますが、2020年4月1日以降は下記の通りさらに変更がある見込みです。

* 新規追加コースのうち「60円コース」「90円コース」は、全国47都道府県に拡大
* 「30円コース」は、1人引き上げる場合の助成上限額が30万円に変更



出典:厚生労働省「業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援」

「業務改善助成金」は事例から必要な取り組みを確認

業務改善助成金を申請する上では、所定の手順に則った取り組みが不可欠です。



出典:厚生労働省「業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援」

まずは交付申請書を提出し、交付決定を受けてから設備投資等の取り組みに着手し、実際に事業場内最低賃金の引き上げを行います。その後の実績報告を経て、支給の可否や額の決定を受けます。

業務改善助成金の支給要件としておさえるべきポイントは、下記の通りです。

・ 賃金引上計画を策定すること
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
・ 引上げ後の賃金額を支払うこと
・ 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
(単なる経費削減のための経費、 職場環境を改善するための経費、通常の事業活動に伴う経費は除く)
・ 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと


このうち、現場で特に判断に迷うことと言えば「生産性向上に資する機器・設備などを導入し、業務改善を行う」という箇所でしょう。

どのような取り組みが助成対象となるかを検討する際には、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできる「助成事例※平成28年度の制度に基づく事例」や、生産性向上の事例集が参考になります。

参考:厚生労働省「最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業」

「業務改善助成金」の申請期限は2020年1月31日まで。ただし追加コースは期限延長の予定

今号でご紹介した業務改善助成金の申請期限は、今月末までとなります。ただし、新規に追加される「25円コース(850円未満)」「60円コース(850円未満)」「90円コース(850円未満)」については申請期限の延長が予定されていますから、対象となりそうな事業場では今からでも前向きに検討されて良いでしょう。

まとめ

新しい年を迎え、新年度の助成金情報が賑わいをみせる時期となりました。今後ますますの引き上げが予想される最低賃金、中小企業でもいよいよ本格的に取り組むべき時間外労働の上限規制等、あらゆる課題への対応に頭を悩ませる現場も多いのではないでしょうか?

社会保険労務士にご相談いただければ、助成金活用と御社に有効な取り組みを厳選してご提案いたします。この機会に、ぜひ専門家のご活用をご検討ください。

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