病気が再発!前に受けていた傷病手当金をもう一度受けることができるのか、解説します。
労務


社員が休職して、復帰したはいいけど、やっぱり体調が優れなくて休んでしまう。残念なことですが、一度体調を崩してしまうと、珍しい話ではありません。
おそらく一度休職しているということは、健康保険から傷病手当金を受け取っていたと思われます。では、この傷病手当金、再び休職した場合に再度受け取れるのでしょうか。

ここでは、一度休職復帰した社員が再度休職に入った場合の傷病手当金の支給について解説をいたします。

この記事の目次

1.傷病手当金の支給期間は1年6ヶ月。その間であれば、再受給は可能。

前提として、傷病手当金の受給は支給日から1年6ヶ月です。この期間で、就労不能であった日に1日の標準報酬日額の2/3が支給されます。ざっくり「休んだらだいたい給料の2/3がもらえる」と考えておけば良いでしょう。

では、その間に復職したけど、同じ理由で体調を崩して、また休職した場合はどうなるのでしょうか?それは支給日から数えて、1年6ヶ月の間であれば、再び傷病手当金を受け取ることができます。つまり、「一つの傷病は1年6ヶ月経ったら、治るでしょう」という考え方です。

なお、この場合で、再度休職に入る際に傷病手当金を最初に受け取る時に必要な、3日の待期期間は必要ありません。

2.1年6ヶ月を超えて同じ病名で傷病手当金をもらうには「社会的治癒」が必要

では、1年6ヶ月を経過していた場合はどうなるでしょうか?この時に傷病手当金をもらうには「社会的治癒」をしていることが前提となります。

社会的治癒とは、医療的な治癒の概念とは違い、傷病から復帰して労働を含む通常生活が遅れていることを指します。ある程度復帰できていたら、もう別の傷病と言って良いでしょう、ということになります。


では、この社会的治癒、どれくらいの期間あれば良いのでしょうか。実は病気の種類など状況によって異なるので、実は一概に言えません。必ず保険者(健康保険組合など)に確認を取る必要があります。目安としては、治療も無い状態で1年程度の職場復帰が求められるとご認識ください。

また、この場合は、再度休職期間に入る際に3日の待期期間を求められます。

3.別の病名でも傷病手当金が支給されない可能性もある。

傷病手当金は一つの原因に起因する傷病に対して、支給日から1年6ヶ月間支給されます。つまり、別の原因であれば、これまでお話をした内容にはあてはまりません。

例えば、病気で傷病手当金の支給を受けながら休職して、復帰した後、交通事故で再び休職した場合は、前の支給や社会的治癒の期間に関係無く、新しい傷病手当金の期間がスタートします。この場合、再度、3日の待期期間を経る必要があります。

逆に、一つの原因で別の病名がついたとしても、傷病手当金の期間は通算されます。つまり、これまで説明をしてきた期間の制限を受けることになります。

例えば、休職中に胃がんを治療して復帰したが、別の場所にがんが転移していた場合は、原因が元の胃がんにあったということになりますので、胃がんで休職していた際の傷病手当金の支給期間の制限を受けることになるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
傷病手当金の支給は支給開始日から1年6ヶ月間です。この間であれば、復職後休職した場合に、再度支給を受けることができます。また、1年6ヶ月を経過した後については、同一の病気であれば1年程度の職場復帰が傷病手当金を受けられる条件となります。病名が違っても、原因が一緒であれば期間は通算されますので、ご注意ください。

このようなご相談は、特に心の病や精神疾患などで多く見られるケースです。同様の理由で休職している社員を抱える会社では、この再発時の傷病手当金のルールをぜひ把握してください。正しい説明が、その方の生活を守ることに繋がります。

これまでのご説明は原則的なものになります。個々のケースでは、より複雑になることもありますので、迷ったらお気軽に保険者か社会保険労務士にご相談ください。

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